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母の日におもうこと

19歳のとき、母親が交通事故で亡くなった。あまりに突然の出来事で、お葬式前後の記憶がほとんどない。人生で初めて貧血で倒れそうになったほどだ。それ以来、母の日が嫌いになった。なのに毎年5月になるとテレビやお店で「母の日に感謝を込めてプレゼントを」とアピールしてくる。世の中には母親がいない人だっているのに。
(ひねくれものな私です…)

41歳のとき、私は再婚した。夫の母親は気配りが素晴らしく思いやりにあふれている。誠実で思いやるのある人のご両親は、やっぱり同じ気質なんだと気づいた。
実家に行くと手料理でもてなしてくれたり、私の誕生日にはお赤飯をつくってくれたりと本当の家族のように接してくれる(LINEでおめでとうメッセージも欠かさず送ってくれる)。
息子三人を育てあげたお義母さんには娘がいないから、今まで温泉では独りぼっち。でもいまは私と温泉に入れる。一緒に入ると話も尽きないし、母が生きていたらこんな感じだったのかなとも思う。

昨日、夫に「母の日って必要?毎年カーネーションもらってうれしいのかな」と言ったら、「いつでも感謝してれば特別なことはしなくてもいいんじゃない」と返された。
なるほど。それならたくさんお世話になっているから、義母には日々スーパー感謝だ。
「お義母さんの好きなものってなんだろう?」
「うーん、わからん」と夫。

今度実家に行くときは、みんなで食べられるおいしいものを持っていこう。嫌いだった母の日が、夫のおかげで少しだけ好きになった。

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