『すべての神様の十月②』小路幸也（PHP文芸文庫 2021/9/21）

死神、九十九神、福の神など、現代社会に溶け込むように存在している八百万の神々と人間達とのちょっと不思議なふれあいを描いた、
切なくも心温まる１０話連作短篇集。シリーズ第２弾。
あなたの周りにあるちょっとした奇跡、それは神様たちの仕業かも？
『戌の日に』『お稲荷さんをよろしく』
『天狗さまのもとに』
ある消防士が出動すると、勝手に火が消えてしまう。その意外な理由とは？
『死神に恋』銃で撃たれた女子高生が、死の淵で恋をした男の正体は？
『眠れぬ夜の神様』
夢遊病に悩む漫画家は、コインランドリーで美しい女性と出会うが？
『笑う門には福来る』『落とした物を探しています』
『引きこもりにおじさん』『子供は風の子』『七回目の神様』

・結婚して、子供ができて初めてわかることがあるっていうのは、
本当だって実感している。
子供ができたら、子供のことだけ考えて暮らしているんだ。
子供たちの未来のことを、ずっと考えている　P19

・愛情ですよ（略）
愛だけじゃない。そこに情も入るんです。
愛情は、どんな感情よりも強く伝わるものなんです。
愛で結ばれた夫婦が離婚したとしても、
親と子は愛情で結ばれていれば、何があっても大丈夫です。
たとえ、他人の子だったとしてもです　P25

・幸せになればそれでいいんです。
親の望みは、子供が幸せに過ごすことです。それだけで、いいんです　P27

・噂ってのは大抵の場合は悪いものだ（略）
特に最近はSNSなんかでとんでもない事実無根のフェイクをかまされて、
人生が終わってしまうような羽目に陥った人もいるだろう。
大昔は〈人の噂も七十五日〉なんて言われたらしいけれど、
今は全部ネットの中に残ってしまう。
消えるどころか忘れた頃に拡散されてしまったりする。
とにかく〈噂〉ってのは、怖い　P76