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結婚難時代の中で実現した小室さん、眞子さんのゴールイン

yahooニュースの閲覧上位は、全てあのニュース。10月26日、ネットや、テレビのワイドショーはやはり小室さんと眞子さんの結婚報道一色となった。
なぜ日本では、このニュースに関心を持つ人がこんなに多いのだろう。

考えつくのは3つだ。

分かりやすいニュース

1つは、わかりやすいということ。若い男女の結婚。2人の間には様々な問題がある。当人同士がいいのなら困難を乗り越えてでも結婚させてあげたい。
いや、女性の方は皇族であり、だれからも祝福される結婚になるよう徹底的に検証すべきだ。

これはわれわれ一般人も論議に入りやすい。誰でも直面する問題でもある。

2つ目。皇室や皇室を取材する宮内庁記者クラブの閉鎖性、保守性もあるだろう。記者会見が頻繁に開かれるわけではなく、その内容も建前的なものに過ぎない。
かつて昭和天皇は、記者からの質問によく答えていた。会見も開いていた。
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/19015/report


宮内庁という組織は、最高幹部は別の官庁からの天下りで占められており、残念ながら格下官庁の印象が否めない、そのため、内部での不満や鬱積が、回り回って情報のリークにつながりスキャンダルな記事になる。構造的な問題があるはずだ。

メディアにとっては叩きどくのテーマ?

3つめは言葉は悪いが「叩き特になる」ということだ。この問題をメディアが報道した場合。特には反論されず、安心して報道できる。「こうすべきだ」と道徳を小室さんに求めているので、優位な立場でいられる。しかもアクセス、購読を得られるドル箱のテーマだ。


そこから少し離れて角度を変えてみたい。日本では結婚が自由にできて未来の日本を支える人達、つまり子供が生まれているのか。

戦後日本の婚姻数はピーク時の半分となっている。

生涯未婚率という数字がある。50歳の時点での未婚率を表す。

人口統計によると。離婚率は1985年頃までは男女とも4%台だったが、それから急激に増え・2015年には男性が23.4パーセント、女性が14.1%となっている。

将来への不安で結婚できない

この原因に3つ挙げられる。
将来への不安があること、これが最も大きい。経済的な不安、仕事、コロナ、気候変動などもその不安に入るだろう。

結婚、家庭生活、育児にかかるお金  巨額な費用が必要なのも影響している。これが2番目。

3番目は1人暮らしでも不便しない社会ができているということだ。

コンビニエンスストアが充実している。宅配で食事を送ったのを届けてくれるシステムもある。親と同居していない場合でも、たった1人で暮らしをしていても、それなりの生活ができる。

非正規雇用の影


社会の構造の変化が生涯未婚率が上がる理由にもなっている。非正規雇用が増えていることだ。

例えば、20歳から29歳までの男性の場合。非正規雇用者の94%が未婚のままだ。正規社員の場合は同じ数字が67.5パーセントとなっている。正規雇用者の場合、この時期もう結婚する人が出てくる。


もっとも格差が広がるのが30から39歳のレンジだ。非正規雇用者の男性の75.6パーセントが、未婚。正規雇用の場合30.7パーセントが未婚、つまり、この年代の7割がもう結婚しているということになえる。

2014年10月にマッチアラームというマッチングサイトが調査を行った。男性が結婚相手の女性に求める収入は、300万円以上が27.7パーセント、400万円以上が22.7%、500万円以上が9.6%に及んでいた。男性は女性に高収入を求め始めている。


昭和の時代、外で働くのは男性、女性は家にいて子供と家事をするという図式があった。今は男性の方も女性の収入を当てにするしかない。

日本社会の閉鎖性が足かせに

ここまでさまざまな角度で「結婚しない時代」を読み解いてきたいが、見えにくいが、私はこれが実は大きいのではないかと思う理由がある。

「全ての人に祝福される円満な結婚」というのがあるのかわからないが、日本の社会はそれを追い求めて、結果的に、若者を婚姻から遠ざけている。

日本では結婚以外で生まれた子供の割合は2%程度に過ぎない。結婚したカップルのこどもを歓迎し、社会的に手当てするという考えがベースにある。出産と婚姻はセットになっている。


ところが外国、特に欧米諸国ではすでに半数以上が、婚外子だ。そういうこどもにも手厚い保護が施される。

フランスは、むしろ結婚していないまま出産した方が、支援が得やすいということもあるらしい。



選択的夫婦別姓を認めるという意見が、政治の中でも主流になりつつある、未だに結婚した場合は、同じ姓を名乗るということが日本では法律で定められている。

アメリカ、イギリス、フランス、ドイツは選択が可能だ。中国、韓国はもともと完全別姓だ。

小室さんの結婚は祝福すべきだ

社会的な背景や歴史もあり単純に比較はできないものの、こういった保守的で窮屈な制度が、日本の結婚、出産にブレーキを掛けているのではないか。

偉そうな書き方になるかもしれないが、人口学的な見地からなら小室さんと眞子さんの結婚は、極めて簡単。祝福すべきニュースである。

メディアは小室さん側の借金のニュースを取材するエネルギーを、別の方に使った方がましだ。

(専修大学での講義をベースにしてまとめました)

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