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情報銀行に健康データ

本日の日本経済新聞の記事に、情報銀行に健康データを加えるという興味深い記事がありましたので、深堀します。

新聞記事の内容
 利用者の同意を得て個人データを預かり第三者に提供する「情報銀行」が、健康や医療に関する情報も取り扱えるようになる。政府が2021年度後半にも解禁する。これまでは情報保護の観点から、扱うことができなかった。健康診断の検査項目や薬歴といったデータを安全に流通させる環境を整え、企業の製薬開発や食品開発などに役立てる。

情報銀行とは?
情報銀行とは、個人データを流通させる銀行のことです。
認定を受けた事業者がパーソナルデータ(個人に関するさまざまな情報)を預託され、データを活用したい他の事業者に適切に提供する事業です。総務省/経済産業省の「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」により取りまとめられた「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」では、「個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDSなどのシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示またはあらかじめ指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業」と定義されています。(PDSとは、Personal Data Storeの略であり、個人に関する情報を集約させ管理するシステム)
 この定義における「個人のデータ」には、行動履歴、購買履歴、金融、ヘルスケアデータなどの重要なデータが含まれています。銀行という信用度の高い組織に資産を預けるように、個人は自らのパーソナルデータを情報銀行に預託し、セキュアな環境で管理することができ、企業は情報銀行を通してビッグデータとしてパーソナルデータを活用できます。

具体的な活用は?
 対象となる健康データとしては、お薬手帳や健康診断などの結果などでしょう。または、FitbitやApple Watchから収集したデータや健康系アプリなどのデータもこの太陽になるでしょう。そして、最終的には治療カルテのようなデータも一部的には活用できるようにるのではないかと考えています。そうすれば、様々な疾患に対するビックデータとしてエビデンスの構築が行えたり、そこから薬の副作用の検出や創薬など、様々な医療に役に立つかもしれません。その意味で、情報銀行に健康データが含まれることは、様々な可能性を秘めています。

まとめ
 情報銀行に様々なデータが集まること、そしてそれらのデータが購買履歴や行動履歴と紐づくことはある意味怖いかもしれません。しかし、匿名性が担保されれば、病気と購買履歴や行動履歴の関係、さらには健康行動の可視化と環境負荷度の計算などに役立ちます。YOJYO projectでは、「健康行動における環境の影響」を検討することを1つの目的としているので、情報銀行を通じて様々なデータが取り扱えるのであれば、予防医学や養生医学の参考になるものと思っています。


参考資料
https://www.softbank.jp/biz/future_stride/entry/technology/personal-data-trust-bank/20210322/



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