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2020年を写真で振り返る<後編>

前編に続き、2020年を写真で振り返る<後編>をお届けする。思えば、夏ぐらいまでは不安がありつつも、それでもまだ呑気な気分だった。日本は他の国より感染者数も少なかったし。特にハードな対策はしていないのに、国民の自主的な自粛だけでうまく行っていた。12月が来るまでは。そんな前例のない年の写真を記録したかったというわけでもなく、日々写真を撮るのがただ楽しかった年でもあった。あるいはそうでもしないと、日々前進している実感が持てなかった時期だったのかもしれない。

7月

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1枚目:代々木八幡宮にて、Sony α7II+テックアートLM-EA7+summicron50mm。2枚目:九段下にて、Leica M8.2+summicron35mm ASPH。3枚目:代々木公園にて、Leica M9+Minolta m-rokkor 28mm。

テックアートLM-EA7は、Leica MレンズをソニーEマウントでオートフォーカス化できるアダプターで、発売当初から話題だった製品。僕もようやく手に入れて使ってみたもののあまりピンと来なくて、すぐに売ってしまった。ライカMシステムは被写体に寄れないのが弱点だが、ソニーα7II+ライカMレンズで少し寄れるようになったところで、写真の上がりは結局M8やM9の方が好みだった。

その後、α7IIを売ってα7sを買ったが、高感度性能が良くなったのはいいけど、色味はそれほど大きく変わらない。デジタルは後からいくらでもイジれるからカメラはなんでもいいという人もいるが、現像ソフトウェアで軽く調整するだけで済ませたい僕のような人は、自分がいいと思うセンサーのカメラを使うべきだとわかった。2枚目のM8.2のような色は、α7IIやα7sには出ない。ライカ社がどんな味付けをしているのかわからないが、僕が好きなのはソニーの色というか絵づくりではなかったのだった。

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Leica M4+summicron35mm ASPH、フィルムはILFORD XP2 ISO400にて撮影。1枚目は代々木上原・東京ジャーミイ、2枚目は今年オープンしたばかりの世田谷代田・BONUS TRACK。このフィルムはモノクロなのに真っ黒にならないのが最初は不満だったのだが、時間を経ってみるとセピアないい味わいがある。街の一般的なカラー現像で依頼できる便利なフィルムだ。

この頃にM4を購入し、数十年ぶりにフィルムカメラを使うようになった。最初はオリンパスのOM-1、その後キヤノンのNew F-1を親父のお下がりで使っていたが、その時の記憶はあまりない。昔は一眼レフが最高のカメラという位置付けだったが、僕はファインダー部分が出っ張っている一眼レフのデザインが嫌いだったので、愛着が湧かなかったのかもしれない。

8月

たくさん撮影したが、公開できる写真がない。

9月

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どちらもLeica M4+summaron 35mm f3.5、フィルムはKodak Ultramax400(2枚目はスキャンデータをモノクロ変換)。1枚目は江ノ島の展望台、2枚目は友人夫婦と鎌倉のイタリアンにて。

僕が意識的に写真を撮るようになったのは、ソニー初代サイバーショット(1996年)を買った頃で、デジタルカメラ黎明期だった。それが今になって、レンジファインダーのフィルムカメラで撮るのが楽しくなるとは想像もしていなかった。ライカといえばM3が定番で伝説的機種だが、僕はM4のデザインが一番好き。M4については過去記事(初回江ノ島編)を書いているので、暇な人は読んでみてください。

10月

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M4で一気にフィルムカメラの面白さにのめり込みつつも、EbayでうっかりQ2を入札してしまい、その後誰も入札しなかったので結果的に落札してしまった。M9はドイツのフランクフルト出身だったが、Q2はメキシコから我が家にやってきた。1枚目の新豊洲のNIKEスケートパークの写真は、柔らかい光と写りが気に入っている。

4730万画素は、僕の持っているカメラで最大の画素数。RAWで撮るとデータは80MBを超えるが、割とキビキビ動く。368万ドットの有機EL電子ビューファインダーも美しい。元は28mmだが、35mmや50mmや75mmにクロップできる(あまり使わないが)。

しかし分かってはいたものの、Q2はM9+summilux50mmの代わりにはならないし、あんなとろけるような描写ではないので、ポートレート撮影では積極的には使わない。レンズ交換できないが故のメリットとデメリットの両方あるが、気軽に持ち歩きたくなるカメラではある。最近Q2モノクロームも出たが、Q2のモノクロも十分素晴らしい。

11月

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Q2、明治神宮100年祭にて。ISO3200だが、これぐらいの感度ならノイズも問題ない。これは35mmクロップか。

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Q2、錦糸町・黄金湯にて。28mmが旅に合う理由がわかった一枚。最初は広角すぎて気持ち悪いが、慣れて来ると楽しい。

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M4+voigtlander nokton classic 40mm f1.4、石丸峠にて友人を撮影。もう山に持って行くのは、フィルムカメラだけでいいかもしれない。フォクトレンダーの良さもこの時に再認識。

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M8.2+summicron 35mm ASPH、代々木公園にて。カメラが増えても、M8.2の写りには独特の繊細さがあって手放せない。

11月のある日、まだ届いて一ヶ月ぐらいのQ2が一度肩からストラップが落ち、コンクリートの路上に落下するも、EVFのアイピースが歪んで保護パーツが吹っ飛んだだけで、カメラの機能は問題なし。評判通り頑丈なボディでありがたかった・・・。高城剛さんも最新刊で、世界中あちこち持って行って、Q2だけが唯一壊れなかったと書いていたが納得。

12月

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最後は安定のM9+summilux 50mmにて、個人的に今年No.1のグラビアアイドル、東雲うみちゃんを初めて撮影。ヘッダー画像のサンタコスもうみちゃん。(※写真はご本人および所属事務所の掲載許可済み。無断転載を禁じます)

僕は団体撮影会が得意じゃないが、東雲うみちゃんはそれでも撮りにいく価値のある被写体だった。初めての参加なのに、DMに送った写真をすぐにチェックして返信してくれるなど、顧客対応も素晴らしく速かった。グラビアモデル撮影会では写真掲載自体がNGの人も普通なのに、快く許諾をしてくれるだけでありがたい。これからも応援したい。

他にもいろいろあったはずだけど、写真で振り返る2020年はこんな感じかな。来年はカメラもレンズも買わない一年にしたいが、我慢できるだろうかw ライティングはもっと勉強したい。海外や国内旅行もそろそろ行きたいね。というわけで皆さま、どうぞ良いお年を!

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深川あやさん@SSR撮影会。ミッドタウン六本木、Leica Q2で12月に撮影。日本じゃないような色合いが気に入っている。

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