舳倉島(へぐらじま)の風 その2(全2回)


ポン! 昨日の続きじゃよ。

海から飛んできた大きなムカデ。
長さで三丈か四丈もある大ムカデじゃよ。12メートルくらいもあるっちゅう訳じゃ。大ムカデが大蛇の首に食いつくとな、大蛇は大ムカデの体に巻きつく。大ムカデは体中の足で蛇をひっかく。大蛇は大ムカデの足を食いちぎる。と、すさまじい争いじゃった。漁師たちは、ハッと気が付いて、船から弓や槍などを持ってきて、大ムカデをやっつけたんじゃよ。とうとう大ムカデはな、傷だらけになって、ヨタヨタと逃げて行ったんじゃと。
「おかげで助かりました。このお礼に春には陸からこの島へと、秋には、島から陸の方へと季節の風を吹かせましょう。その風に乗ってこの島へ来れば、きっと大漁となることでしょう。」
と、若者の姿に変わった大蛇は、池の中へと消えて行ったんじゃと。

それからというものは、輪島の漁師たちは、春になると、その舳倉島(へぐらじま)に渡って漁をしてな、秋には戻って来るということになったそうな。

舳倉島はな、今でも野鳥がたくさんいてな、お魚も美味しい美しい島じゃよ。
行ってみたいのぉ。

さぁ、お休み。ポン

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