大人のお仕置き その2(全4回)


半兵衛(はんべえ)はね、稲葉山(いなばやま)城のお殿さま、斎藤龍興(さいとうたつおき)に仕えている安藤伊賀守(あんどういがのかみ)の娘さんをお嫁さんにしたんでね、斎藤龍興の家来として、仕えることとなったんだ。

龍興はお兄さんの、斎藤義龍(よしたつ)が永禄(えいろく)4年、1561年に病気で突然に死んでしまったから、その後、稲葉山(いなばやま)城のお殿さまとなった人だったんだよ。龍興はね、困ったお殿さまだったんだ。村人たちのことは何にも考えないで、お酒やおいしい物を毎日食べていたし、大勢の女の人たちと昼も夜も遊んでばかりいたんだ。何人かの家来は尾張の織田信長(おだのぶなが)が攻めてくるので、しっかりしてくださいと言ってはいたんだけどね、聞く耳を持たなかったんだって。龍興のお殿さまは色白で優しそうな半兵衛を見るとね、女みたいだと言ってバカにしていたんだって。だから、龍興の周りの家来たちもそれに真似て半兵衛のことをバカにしたり、いやがらせなんかをしていたんだって。

永禄(えいろく)7年、1564年のお正月のことさ。半兵衛は新年のあいさつを済ませてお城から出てきて、櫓(やぐら)の下を通ったときのこと。龍興の付き人たちが悪ふざけして、半兵衛におしっこを頭の上から、ひっかけてきたんだ。半兵衛が何事かと見上げてみれば、櫓の上で数人が前をまくって、ゲラゲラと笑っておしっこをしているじゃないか。半兵衛はね、あんまりのことで、怒ってしまったんだよ。今度こそはお仕置きをしてやらねばと思ったんだね。こんなことがあって、お嫁さんのお父さんの伊賀守(いがのかみ)にも話をしてね、稲葉山城を落とすための準備を始めていったんだよ。

さて、半兵衛の作戦開始だよ。

読んでくれて、ありがとう。
半兵衛の作戦はどんなんだろう?気になるね。
では明日。ポン!

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