柿食えば腹がなるなり冷やすなり(全1回)


今日はね、和歌で健康のお話しさ。
いつも食べている物を体にどんな風に良いかってことを五七五七七の和歌にして詠んでいるのさ。江戸時代の初めに書かれた「和歌食物本草」(わかしょくもつほんぞう)という中に書かれているんだよ。

ポンと昔。
柿と蟹 同食すれば 腹痛み 必ず下る ものと知るべし。
柿と蟹(かに)を一緒に食べるとお腹が冷えてお腹が痛くなって必ず下痢をすると覚えておきなさい。
柿食えば 腹がなるなり 冷やすなり。
柿は栄養価が高くてね、ビタミンやミネラルも豊富で昔から柿を食べれば、風邪知らずと言われてきた秋のフルーツさ。利尿(りにょう)効果が高くて熱を下げて胃腸を強くして口の渇きを止めるっていう働きがあるって言われているんだ。利尿効果っていうのはね、体の中に余分に溜まっている水をおしっことして出すことを言うのさ。
けれどね、体を冷やすんだって。お腹の中を冷やしちゃう。蟹もまた同じようにお腹の中を冷やしちゃう。なので、お酒を飲み過ぎた時なんかは、お腹の中が温まっているいるから、柿を食べると二日酔いのお薬になるって言われているんだね。
昔の人たちは柿が体を冷やすことをよく知っていたから、その柿を天日に干して太陽の熱を借りて干し柿にするとお腹を冷やさないで済む。生柿と同じように胃腸を丈夫にして消化も良くするし、血液の滞りをなくしてシミやソバカスを改善するにもいいんだって。甘柿の表面に白い粉(しろいこ)が吹いたものは、心臓や肺の熱を冷まして、喉や舌の腫物(はれもの)にもいいんだって。
石田三成は処刑される前、喉が渇いたからといって柿を差し出されたんだけれど、食べなかったね。柿はお腹を冷やすから京都の町中を引き回されている間に下痢をしてしまったら、それこそ笑い者になってしまうと思って食べなかったかもしれないね。

今日はこれでおしまい。
昔の人は何でもよく知っていたんだね。
最後まで読んでくれて、ありがとう。
お休み、ポン!

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