宝剣のありか その3(全3回)


八岐大蛇(やまたのおろち)の8つの頭はお酒の匂いに気づくと、すぐに8つの甕(かめ)のところへ行きました。それぞれ8つの頭はべろりべろりと長い舌を出してはお酒を飲み始めたのです。八岐大蛇(やまたのおろち)はお酒が大好きだったのです。強いお酒でしたから、酔っ払ってしまうと、眠くなってしまうのです。間もなく、酔っ払ってしまった頭は一つづつ地面に崩れ落ちては、ぐうぐうと大きないびきをかき始めて、眠っていきました。8つめの頭が崩れ落ちて眠り始めると、素戔嗚尊(すさのおのみこと)は剣を振りかざして、一つづつ、その首を切り落としていきました。最後8つ目の首を切り落としたときです。八岐大蛇(やまたのおろち)は呻き(うめき)だして、素戔嗚尊(すさのおのみこと)にかかってきました。素戔嗚尊(すさのおのみこと)も負けてはならぬと剣で、その尾っぽに切りつけますと、カーンと音がして剣がはじかれてしまいました。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、その尾っぽの切り口を覗(のぞ)いてみますと、そこには素晴らしい宝剣(ほうけん)があるではありませんか。素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、それを抜き取ると大切にして、お姉さまの天照大神(あまてらすおおみかみ)への贈り物にしたのです。

こうして、素戔嗚尊(すさのおのみこと)によって、八岐大蛇(やまたのおろち)は退治されたのでした。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)の尻尾の中から取り出した宝剣が、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)といわれるものです。令和の今でも天皇家には、この草薙の剣が大切な宝物として伝えられているそうです。

魔力から解かれた奇稲田姫(くしなだひめ)は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)のお嫁さんとなって、この出雲の国で仲良く暮らしていきました。奇稲田姫(くしなだひめ)は人間として初めて神さまと結婚した人だったのですね。素戔嗚尊(すさのおのみこと)と奇稲田姫(くしなだひめ)の間に生まれた赤ちゃんは、神さまと人間とのハーフってことになるんですね。

最後まで読んでくれてありがとう。
さあお休み、ポン!

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