竜飛岬(たっぴみさき)の黒の神 その2(全2回)

ところがな、この赤の神のことを知った竜飛岬の黒の神はカンカンになっておこったんじゃ。
「ワシがお嫁にしようと決めていた女神を赤の神なんぞに横取りされてなるものか。こうなれば一対一で決闘をして決めようぞ。」
こういうことになってしまってな。黒の神と赤の神は大戸瀬(おおとせ)の海岸でな、今でいう深浦町でな、決闘をすることになったんじゃよ。剣の強さにかけては黒の神にかなうものはないからのぉ。赤の神は黒の神に倒されてしまったんじゃよ。女神様はな十和田湖のほとりでずっと涙を流しておったそうな。夕日がきれいな時じゃった。女神様はな赤の神の後を追
って十和田湖に身を投げてしまったんじゃと。

黒の神は女神様のことを知るとな、悲しゅうて悲しゅうて、いとおしゅうてな。強い力を持った黒の神でもな、胸が潰れた思いじゃったと。あまりにも辛くてな。大きなため息をフウっとついたんじゃと。そしたらな、陸地がメリメリと裂けてしまってそこへ海の水が入り込んできたんじゃと。それが津軽海峡になったんじゃよ。津軽海峡はな、女神様に好きになってもらえなかった黒の神の悲しい溜息で出来たところなんじゃよ。だからのぉ、今でもな。大好きな人と仲良くなれなかった人たちが津軽海峡に行ってみたくなるんだそうな。海鳴りがなぁ、悲しい人の溜息を静かに聞いてくれるんだそうじゃよ。

さぁ、これでおしまい。

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