中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)との出会いと乙巳の変(いっしのへん)その2(4分割)


こうして中大兄皇子と中臣鎌足は出会ったんだよ。鎌足(と出会ったことで中大兄皇子の人生は大きく変わっていくんだ。鎌足はね、中大兄皇子に会いに屋敷へと尋ねて来たよ。鎌足は30歳くらいの人で、今の世の中のことをとても心配していた人だったんだ。
「蘇我蝦夷(そがしのえみし)と入鹿(いるか)たちの天皇を無視したやり方が許せないのです。聖徳太子の息子の山背中兄皇子(やましろのおおえのおうじ)を自殺に追い込んだのも、蘇我入鹿(そがのいるか)です。蘇我氏の一族の古人大兄皇子(ふるひとのおおえのおうじ)を天皇にしたいからですよ。去年の日照りが続いた時に、蘇我蝦夷は雨乞いのお祈りをしましたね。雨乞いは天皇のなさる事でございます。また蝦夷は引退したのに、勝手に息子の入鹿(いるか)を臣(おみ)にしています。臣を任命するのは天皇にしかできないことなのに。また、今朝鮮半島では百済(くだら)と新羅(しらぎ)と高句麗(こうくり)という三つの国が激しく戦っております。我が国は、百済といい関係にあるのですが、最近は新羅が三国を統一しそうなのです。そしたら日本にも攻めて来るかもしれないのですよ。」
17歳の中大兄皇子はね、鎌足の話を聞いて、何とかしなきゃいけないと思うようになってねぇ。鎌足と二人で他の人には分からないように蘇我氏の入鹿(いるか)をを討ち取るための準備を始めていったんだよ。2年かけてその準備ができたんだ。

今日はこごまで、また明日。ポン!

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