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1日1建築 ⑲ 「伊根の舟屋」

✅ 「伊根の舟屋」

 / 京都府 伊根町


✅ 住居 + 漁師小屋

舟屋は伊根湾の海面にせり出して建築されていて、1階に船揚場、物置、作業場があり、2階が居室となっている。切妻造の妻面を海に向けて建てられたものが全体の約90%で、1階部分の床は船を引き上げるために傾斜している。1階の作業場は出漁の準備、漁船や漁具の手入れ、魚干物の乾場や農産物の置き場などに利用される。




✅ ヴァナキュラー建築



他の地域では万が一津波が起きたときに避難できる地域や、遠い地域に「住居」を構え、海近辺に簡易的な「漁師小屋」の2件を構える。

しかし同地は巨大津波が発生しにくい日本海側に面しており、そして若狭湾内のさらに伊根湾の入江内に位置し、加えて湾内に防風の役目を負っている青島が存在するという複数に外洋からの高潮や暴風の影響を受けにくい地理的な好条件が寄与しているため、存在しうる建築なのだ。こういった建物をヴァナキュラー建築といい、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

伊根の町の人は「舟屋・蔵・母屋」を3軒セットで所有し、持っている方が多いそう。いや、結局母屋あるんかい。



魚屋は一軒もない。その代わりに毎日、各家の非常用放送設備から定置網漁の水揚げのお知らせが流れてくる。例えば、真鰯がダンベ(600kg入る水槽)に100ケースも水揚げされる。買いたい魚を自分で手掴みしてバケツに入れれば、量り売りしてくれる、など、ローカルな魅力が満点。


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