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素人のちゃんとしたデザイン

内装設計をしているよこちょーです。美大にも在籍していますが、グラフィックデザインの勉強や課題はなく建築を集中的に学んでいます。

今回はとあるきっかけでイベント記念ワインラベルを作りました。出来上がったデザインに満足してもらえたかも重要ですが、デザインづくりのよりよい取り組み方を考えてみました。


素人のような向き合い方ではいけない

やります!といったもののプロではないし、経験も知識のない。頼んだけどビミョー、、、、と思われないか。ただなんとなくやってみて形にはなったとなるのではないか。素人が素人デザインをつくったで終わりたくない。それならばつくる人は素人でも ”手段” においてプロになればいいのではないか。今の時代プロが編み出してきた手法や、いいデザインの見本、コツなどを発信してくれている人がいて本も多く出版されている。これらを最大限活用するにはどうすればいいか実際にやってみた。


プロはデザインにおいて何をしているのか

プロと素人の違いはいろいろあると思うが、プロがデザインを生み出すプロセスでの価値を考えてみる

プロならば、、、

①デザインでどんなことをしたいか引き出してくれる
②いくつかの例を用いて方向性をリードしてくれる
③その中で個別のメリット・デメリットと判断をしてくれる
④実際に作ったものを見比べよりよいものを検討してくれる

① デザインはデザイナーの作品ではないので相手がデザインを何に、どう、いつ、どうように、なぜ使うのかに対して適切でなくてはいけません。しかしそれを聞かれて明確に答えられるものではないので、会話のなかで相手がイメージしているデザイン、使われる場所、目にする人はどんな人なのかを想像し、文字に落とし込んでいきます。

② そのなかでより相手のイメージに近づけるためにピンタレストなどの共有し編集もできるツールなどを用いて「これはイメージに近いけど派手すぎる」「雰囲気はちょっと違うけど色は1色ぐらいでいい」などのコミュニケーションでデザインの方向性をお互いに確認していきます。その際わざと少しずれたものや小・中・大のように幅を用意することで相手の好き・嫌いやいい・悪いの精度を少しずつ上げていきます。

③ 今回であればイベント限定ワインなのでPOPな感じにしたいけど色はそんなに使いたくないという要望だったので、「単色であればシンプルな印象で文字も目に入りやすいですね」一方で「イベントなのですっきりしすぎるとありきたりなものに寄ってしまうかもしれません」とメリットデメリットを説明した上で、「単色の色は背景に使って文字部分を白や黒にするとインパクトは残せますよ」とデメリットをうまく使う提案も合わせて話す。そうすることで相手の理解も深まり、デメリットを話すことで信頼感も生まれやすい。それならばと相手からの提案も弾んでくる。

④ デザインは作品ではなく問題解決(お店をよりしってもらいたい、同じものが好きな人に集まってもらいたいなど)の手段なので ”理由” が必要です。なぜ赤を選んだのか、なぜ文字の大きさは28ptなのか、なぜ文字の間隔は5mmなのか。なぜラベルの形は縦長なのか、なぜこのフォントなのか、なぜこの形を入れたのか。それらを自分の中で言葉にし、相手にはそれが完成品を見てただけで伝わらなくてはいけません。(飲み物を買うのにいちいちラベルデザインの説明なんてきかないですよね)そのためにプロの手法をまねて色・形・大きさを比較したうえでだめなものを除いていきました。

取り入れたプロの手法

プロの手法として真似したのは

・ヒアリングに仮説を持っていき、検証を重ねる
・ツールは目的にあったものを使う(Pinterest、Canva、illustrator)
・比較検討をし最適なものを選ぶために作りまくる
・デザインの理由を言語化する

なんとなくダサい、なんかイメージと違う。をなくすためにラフも合わせるとおよそ200種類は作り、実際の大きさで印刷して見比べました。


真ん中のBANGの文字間隔(横)の検討ページ

他にも色やフォント、余白の大きさなど部分毎に比較を重ねました。
さらに酒屋さんに行き、作ったラベルを貼ったときの大きさやビンの色との調和を考え再度微調整。こうしてみることでなんなく微妙がなくなりこっちの方がいいと自信をもって言えるようになりました。無駄なものをたくさん作ることで予想ではなく適切なものを確かめることができました。

こうしてできあがったデザイン

完成したものを自分の中で言語化

出来たデザインは大したものではありませんでしたが、デザインを生み出すプロセスには納得できています。こうすることで間違った努力や時間のかけかたの経験値をつめたと感じました。今回の方法は空間のデザインや組織のデザインにも通じる部分があるのではないでしょうか。これからも楽しくデザインと関わっていきたいです。

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