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語学スクール、教室、先生を選ぶポイントとは?~英語、タイ語を含めた全ての言語に言えること

【最終更新日: 2023年4月1日】

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新しく語学を習いたいけど、システム、時間、金額などの不安要素が多く、自分に合ったスクールを探しにくいと感じている方

横浜の英語・タイ語講師 佐野なおこです。
私の教室では、2010年の開業以来大人の初心者の方に英会話、タイ語会話を教えています。

今回は「語学を習うためのスクールや教室選び、先生選びについてこんなことを考えるといいのでは?」と思うことを綴りたいと思います。

語学はすぐには身につかないので、スクールには中~長期的に通うことになると思います。しかし、それができる方ばかりではありません。

語学スクールに行くことは、自分の時間と財産を使うという一大決心。

当然、生活パターンも変わります。物価上昇、燃料高騰はあるものの給料が下がりお金を稼ぐことが難しくなっていく時代になってきています。

大切な財産や時間を簡単に手放すことのないように、スクールからの情報、提案を鵜呑みにするのではなく、自分の意志で選択することが大切だと考えます。

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当教室の様子

ここでは「語学」というキーワードを「英会話」、「タイ語」など、自分の習いたい言語に置き換えて読んでいただけると自分事として読みやすくなると思います。

ぜひ、気になるタイトルからクリックしてご覧ください。

1. 一括前納によって「いつでも行ける感覚」に陥る?

英会話スクールに通ったことのある複数の人に話を聞きましたが、皆さん同じことを言っていました。
「英会話スクールに数十万支払ったけど、結局仕事が忙くなりほとんど通えなかった」

私の身近でも同じようなことが起きたことがあります。
今から10年以上前、教室を開く前に東京の翻訳学校で講師をしていた頃の話です。私の担当するコースは、毎週1回授業を15週連続で行うものでした。入会金と授業料を受講前に一括振込するシステムです。

しかし、皆勤賞の方は皆無で、数回休んでやっとコース終了という方がほとんどでした。皆さん社会人なのでお仕事の都合もあったと思いますが、途中でやめてしまう人もいました。

途中でやめた理由には、私の指導力不足もあったと思います。でも、「数十万払ったから全ての授業を頑張って受けよう」という人よりも、「数十万払っていても、継続することを簡単に手放す」人の方が意外と多いという現実に驚いたものです。

「同じことを継続すること」は本当に大変な活動であるということです。

現在、私の教室も「3回チケット」を用意しています。20,000円でおつりがくる程度の金額ですが、大概払った後にスケジュールが立てられなくケースが多いです。

おそらく、授業料を一括前納してしまうと「いつでも行ける」感覚に陥り、なかなか予定が立てられないのではないでしょうか?

このため、私の教室では3回レッスンの計画を立ててから、「3回チケット」をご利用になることをおすすめしています。


2. チェーンのスクールか個人教室か?

街中にチェーン店と個人経営のお店があるように、語学スクールも企業が経営する学校と、個人の先生が経営する教室があります。

駅前や商業施設の中に大きな看板を設け、誰もが知るような会社チェーンの英会話教室は、有名ブランドという安心感がありますよね。先生個人の人となりを知る機会はあまりないかもしれませんが、先生の採用基準がマニュアル化されていると思います。全国どこでも同じシステムでしっかりとした指導をされると思います。

一方、個人の先生が経営と指導を兼ねるような個人教室は、目立った看板がなく外からは一見怪しいかもしれません。(私の教室に言えることです)
そのかわり先生独自のスタイルによる指導のため、得意分野が明確で、その分野の語学をやりたい方にとっては助けになると思います。

個人教室は、先生ご自身でホームページやブログ、SNSによって教室の様子やご自身の考えを発信されている方が多いようですね。それにより、先生の人となりが見え、レッスンの雰囲気が想像しやすいのかなと思います。

このように、チェーンの教室と個人の教室では違いがありますが、どちらを受けてみたいですか?

料金・コースのシステム、キャンセルポリシーは、無理のない範囲で受け入れられますか?

生活環境、方向性が変わった時に、日程やレッスン内容の変更にすぐ対応してくれる柔軟なシステムはありますか?

大手の英会話スクールさんは、大手が故にその会社のシステムに入らされる可能性があります。大概無料体験レッスンを設けているところも多いですが、それと引き換えに、「長期契約」、「受講料〇十万を一括振込」などの縛りもあります。
それも念頭に置いた上で、無料体験のお申込みをされることをおすすめします。

自分がどの環境で学べば、ワクワク、活き活きと英会話を続けられそうか、考えてみましょう。


3. 受講規約、感染対策は?一字一句読みましょう

2020年のコロナ禍以降、人と接することで互いの飛沫を浴び、その飛沫が要因で感染症にかかってしまうことが改めて露呈しました。さらに、感染対策への意識も人によって異なるということが見えてきたと思います。

通学コースを設ける語学スクールでは、感染対策のガイドラインを設けていますか?受け入れられる内容ですか?

さらに、いろいろな考えやライフスタイルを持った生徒さんが集まる場所です。講師と生徒さんの信頼関係のもとでレッスンが行われることが当然望ましいですよね。

そこでお互いの心と体に負荷をかけないよう、受講規約の存在が重要です。

斜め読みにせず、一字一句しっかり読まれた上で入学を決めることをおすすめします。


4. 無理なく続けられるペースか?

以下のレッスン頻度は一例ですが、ご自身の生活ペースに合うよう、スケジュール管理をしましょう。

毎週◯曜日通学またはオンライン
月1回、2~3か月に1回、不定期
通信講座で主に自分のペースで勉強
とりあえず単発1回受講

大人の方の場合、ご自身がピンピンでお元気でも、ご家族の不調などでレッスンを受けたくても受けられないことが突然起きることがあります。

それを念頭に置いた上でスクールや先生選びをされることをおすすめします。

これはまれなケースですが、私の教室に飛行機または新幹線で3~4か月ごとに通っていた生徒様がいらっしゃいました。

当時、インバウンド対応の接客英会話を学びたかったのですが、お住まいの県には専門のスクールがなく、単発で通える教室を探していたとのことでした。


5. 何のために語学を習いたいか?

例えば、ただ単に「英語を習いたい」では、先生も困ってしまいます。「同じ英語でも、分野によって覚えるべき単語や表現、対策、お作法が異なります。

【例:英語の種類】
検定試験に向けた英語
駐在員の妻として現地の日常生活で使う英語
ホテルのフロント従業員として使う英語
ジュエリー販売員として使う英語
工場内の技術指導員として使う英語
食品の輸入取引メールで使う英語
WEB会議で現地とやりとりするための英語
患者さんに薬の飲みかたを説明するときの英語
キリスト教の賛美歌で使われている英語

これらの英語は、どの教室や先生なら知ることができるのでしょう?

語学以外の話になりますが、普段日本語を使っている私達は、何かを習う場合「日本語学校」を探す必要はないと思います。当然、日本語を使うことは既に分かっているからです。

「何が知りたいか?」「何ができるようにスキルを身に着けたいか?」によって、本や学校を探したりしませんか?

語学も同じです。

何のために語学を使いたいですか?ご自身の人生に何が必要で知りたいのか、キーワードだけでも書き出すと見えてきます。


6. ネイティブの先生か日本人の先生か?

日本人の方はネイティブでないと語学の先生として認めない方も多いと思います。でもネイティブの先生に簡単に飛びついてしまう前に、いったん考えて欲しいことがあります。

ネイティブの先生の方が、発音からその言語の国の雰囲気が出るので「外国語を習っている」感覚を持ちやすいですし、「外国人と話している自分」に酔えるという点でワクワクしますよね。
但し、授業中は日本語のやり取りはないか、非常に少ないかもしれません。

ネイティブの先生を選ぶ場合、その言語でやり取りできるくらいの力を備えていますか?

私の周りでも、ネイティブの先生と1対1で英会話プライベートレッスンを受けた方がいましたが、レッスン中話しているのは先生が90パーセントだったそうです。

習いたてのうちは、日本人の先生が良いと思います。日本人として悩むこんな細かい点を聞くことができます。
また、同国民が故に日本人の癖を知っていますし、語学を習得するのに苦労した先輩としてもお話しやすいのではないでしょうか?

7. ネイティブの先生と日本人の先生の決定的な違い

発音や表現力と言った点では、もちろんネイティブの先生にはかないません。私のように、中学英語が初語学だったという日本人の先生は、その後の人生で語学と深く関わるようになり、教えているからです。このため、先生としても、先輩としても生徒さんへアドバイスが可能です。

そして、ネイティブの先生と日本人の先生の決定的な違いは、その言語を話す国において、国民であるか外国人であるかということです。

私自身も、滞在経験のあるタイ、イギリスにおいては外国人で、ネイティブの人たちとは立場が異なりました。外国人として過ごすと不利なことも有りますが、良い点も悪い点もよく見てきたせいかその国を冷静に客観視できます。

少々耳の痛い話ですが、語学を習うことは、その国の良い点だけを知ることが難しくなります。つまり、その国の光と闇を見ることにもなるからです。そんなときに、どんな先生のアドバイスが欲しいか、考えてみてください。

8. 貧富の差が激しい国の言語を習う場合

日本人にとってピンと来ない話かもしれませんが、世界には貧富の差が激しい国の方が多いということを知ってください。

この章では、タイのホテルに勤務していた頃のお話をします。タイのように貧富の差が激しい国では、自分の出身階級が社会の全てと思っている方が多いです。タイでは同じ階級同士が交流しています。違う階級の人との付き合いがないのです。

なぜこのようなことが言えるかというと、タイで自分が勤務していたホテルという一つの箱の中には「階級社会」が存在していたからです。

フロント、飲食関係のフロア、営業部、PRなどお客様や企業の方と直接接する場のスタッフは、上流階級の出身で、タイ国内あるいは海外の大学を卒業していました。

一方客室係、設備担当、飲食関係のバックヤードのスタッフは、裕福でない階級の出身で、中には小~中学校を出てすぐに働いていたような若いスタッフもいました。

ただ、日本人スタッフであった私にとって、タイの階級はどうでもいいことでした。どんな階級であってもタイ人であることに変わりはないからです。人の本質は、家柄でなく人柄です。日本で働いていた時と同じように、階級を問わずどのスタッフにも挨拶をしていましたし、分からないことは専門の部署やスタッフに話を聞いていました。

日本人にタイ語を教えるタイ人の先生は、大概上流社会の出身で日本への留学経験もある方が多いです。もちろん、タイ語の発音はネイティブですし、タイの雰囲気も味わえて、上品な印象かもしれません。

しかしこの反面、タイ人の先生にはタイの闇の部分を知りたくても、教えてもらえない可能性もあります。貧富の差が激しい国に行く場合、自分の安全を守る上で、闇の部分を知る必要もあるのです。

このため、貧富の差が激しい国の言語を習う場合、ネイティブの先生か、第三者としてその国を見つめられる日本人の先生、どちらに価値を置きお金を払いたいか考えることをおすすめします。

2020年コロナ禍以降にブームとなった「タイドラマ」も、上流社会のお話が多いですね。このドラマの世界だけを見て、タイのイメージを掴んでしまうのはちょっと違うと私は考えます。


9.先生の得意分野、経験分野は?

英語の例ですが、同じ英語であっても先生には得意分野があります。

先生方を抱えるチェーンの英会話教室などでは、先生方と一人一人面接をされているので、先生個人の専門分野、得意分野、経験分野が分かるはずです。

私もかつて東京の翻訳学校では英語翻訳を、神奈川県内のカルチャースクールでは英会話、タイ語会話を教えていた経験があります。そのとき、学校やスクールに自分の経歴書を提出し、面接していただきました。

気になるスクールがあったら、スクールコーディネーターさんに「こういう理由で語学をやりたい」と明確に伝えてみるのもいいと思います。

あなたの希望に合う先生、あるいはそれに近い先生をきっと探してくれると思います。

あなたの状況に合わせて、日本人の先生が良いか外国人(ネイティブ)の先生が良いかもきっと相談にのってくださるでしょう。


10. 自分の身の丈に合った料金設定か?

1~3ヶ月後、半年後、1年後…
自分が払った授業料は、投資になるか、散財となるか?

スクールでの学習を続けるには、経済力が必要です。スクールにかけたお金は、自分次第で投資にも散財にもなり得ます。

レッスン料は、無理なく払える金額でしょうか?資格や講師のお免状を取得する場合、期間も金額もそれなりにかかります。また、スクールによっては入会金、月会費、年会費なども発生します。

払った金額を、仕事で稼いで回収することは考えていますか?
あるいは、スクールで身につけた知識や技術を活かせる場を見つけられますか?

出席しても欠席しても、授業料を前払いした場合、大概戻って来ません。将来、「投資できた!」と言えるよう、計画できたらいいですね。

11.結局は自分が変わることが必要

あなたの目標とする会話の相手は、スクールの先生ですか?

それとも、その言語の国民であるネイティブスピーカー、またはその言語を外国語として話すノンネイティブスピーカーとの会話を目指したいですか?

ネイティブの先生、日本人の先生に限らず、先生と実際の会話相手は違います。

先生は生徒の話を聞くのが仕事ですが、実際の会話相手は話を聞いてくれる人ばかりではありません。英語接客をしていても、話を聞かないお客様も多いのです。

英会話スクールにずっと通っていても会話できないという人がいますが、本当に相手の国の人と心の交流をしたいのでしょうか?ご自身の胸に手を当てて聞いてみてください。

会話は、「相手に自分の話を聞いてもらうこと」と「相手の話を自分が聞くこと」を繰り返す活動です。

語学の場合、どんなに素晴らしい先生についても、先生は生徒の会話現場に助けに来てくれません。会話の現場では、生徒様が自分の足でしっかり立つ必要があるのです。

文法や単語を叩き込むだけでは会話はできません。
相手の国の人と心の交流ができるように、あなた自身が変わることです。

変わることができますか?
話を聞いてもらえるように発音を磨き、話の中身を考えることができますか?

以上、長々とお読みいただきありがとうございます。

1~11まで述べてきましたが、選ぶのは皆さんであるということです。

皆さんのより充実した未来のために、この記事がお役に立てれば幸いです。

以下、当教室の初回英語レッスン、タイ語レッスンにかかる費用もご参考ください。


接客・やさしい英語・タイ語教室 横浜サワディーブリッジ

※「受講規約」、「感染症予防のお願い」に同意の上お申し込みをお願いいたします。