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"La Piña"ユリエスキ・グリエルについて語る(打撃、走塁編)

初めまして。キューバ時代やNPB所属時から追いかける自称グリエルの大ファン @yokohamayusyou です。 せっかくの機会なので今回はユリエスキ・グリエルについてのデータ考察(?)をやっていきたいと思います。(データ参考…MLB公式、StatCast、FanGraphs、BASEBALL REFERENCE)

○基本的な成績
下の画像がグリエルのMLB3年間の通算成績です。このページでは基本は今季と同じく規定打席に到達した17年シーズンとの比較という形でグリエルの成績を紐解いていきたいと思います。

打率は微減に留まりましたが長打率が昨年の.486から.428と大きく低下しています。開幕前に手の手術をした事が影響したのか二塁打、本塁打共に前年から数を減らし、"一塁手としては長打力不足"と言われても致し方ない成績になりました。(9,10月に限れば本塁打5本と長打力も復調気味でしたが)

…と上記の成績だけでは物足りない印象を受けますが今年のグリエルは分かる人にこそ分かる非常に味のある打者へと変貌を遂げていました。
今年のグリエルを語る上で欠かせない要素、それは…(下に続きます)

◎更に磨きがかかった勝負強さ
今年のグリエルは得点圏打率を昨季の.315からなんと.403まで上昇させ、公式にも「得点圏でグリエルに回せば自動で点が入る」とまで言わせるほどの勝負強さを発揮しました。状況別で見ても、

と全ての得点圏で打率.300 OPS.800オーバー、更に走者を三塁に置けば打率.520と相手にとってはまさに"絶望を与える"打者です。
その為、前年から本塁打を減らしたにも関わらず打点を75→85まで上げてほぼ1年間クリーンナップを務めるなど、チームに欠かせない打者だったという点では前年と変わりありませんでした。

データ分析が進み5ツールを併せ持つプレイヤーや(今のグリエルも平均レベルは持っているが)出塁率、長打率が重視されるようになった近年ではある意味イレギュラーな打者と言えます。そんな玄人好みの打者みたいなグリエルにもまた魅力を感じますね。(不快に思われたらすみません)

○高水準のコンタクト能力
前述の通りグリエルは選球眼が欠けますが三振率11.0%(平均21.4%)とかなり三振の少ない打者です。これを支えるのがこの高いミート力です。

(FanGraphsより引用)
今季規定打席に到達した141人中16位のコンタクト率86.0%を誇りストライクゾーン内に限れば92.8%(14位)と非常に高い数字です。
ゾーン別打率を見ても、

一般的な打者が苦手としやすい外角低めで.383と高い数字を記録しています。更にボールゾーンでも高い打率を記録しており、この独特な悪球打ち技術もグリエルの魅力の一つと言えると思います。

○グリエルの走塁能力について
かつてキューバでシーズン20盗塁を決めた事もありNPBファンの中でも俊足の印象が強い人も多いと思います。実際スプリントスピードを見ても、

17年→26.9ft/s
18年→27.6ft/s(MLB平均27.0ft/s)

と平均を上回り、何故か前年から回復してたりと34歳となった今もまだまだ健在という様子です。しかし、走塁力を示すBsRは、

17年→BsR+0.8
18年→BsR-3.1

となっています。走力は上がっているのに一体何故悪化してしまったのか、その理由は今季落とした打撃指標の一つの「併殺打の増加」にあります。
今年は前年から併殺打(GDP)が12→22に増加した影響で走塁指標の1つ、wGDPが前年の0.7から-2.9と3.6も下げる結果になりました。BsRの低下した要因はこれに尽きると言ってもいいので、今季の打撃成績の低下がここにも陰を落とす結果となってしまいました。
ちなみに17年から18年にかけて
盗塁成功:3→5
盗塁失敗:2→1
と地味に盗塁成功率を上げwSB(盗塁による貢献度)を-0.6から0.3に改善しました。

長くなりましたが、まとめると、

打撃→長打力減もいぶし銀の打撃
走塁→走力健在もダブルプレー増で指標低下

と言った感じです。
来年は今年台頭した長打力のある一塁手Tyler Whiteらとのレギュラー争いが繰り広げられると思うのですがファンとしては更にパワーアップしてレギュラーの座を守って欲しいですね。

人生で一番の推し、キューバ屈指のプレイヤーYulieski Gurrielの更なる飛躍を願ってこのノートの結びとさせて頂きます。

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