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2022年グリエル展望

打率.232と大不振に喘いだ2020年から一転、2021年は年間通じて調子をキープし打率.319で見事首位打者に輝いたグリエル。
そんな彼は今年も好成績を残せるか、今年のプロジェクションを見つつ去年打撃面で変化したポイントを探っていきたいと思う。

2022年のプロジェクション

MLBファン御用達のサイトFanGraphsでは全選手プロジェクションというシーズンの予想成績が見られ、当然グリエルの2022年の予想成績も出されている。
ではどのような予想がされてるかと言うと、

去年.319を記録した打率は概ね.270〜.290程度と予想されている。
また、出塁率は.320〜.340程で例年程、長打率-打率で計算される長打力の指標ISOは.140程とこちらは今季同様の成績と予想されている。
ただグリエルは今季38歳と高齢の為、ある程度成績が下がるという予想になるのは必然的だろう。

では何故37歳という年齢で突然打撃が復活したのかを分析していきたい。

2020年までとの変化

①選球眼関連

打率だけ見ても良くなったのは明白だが一体何を変えて良くなったのか。
個人的に一番気になったのは四球率の大幅な上昇である。

グリエルの四球率、三振率の成績表

キャリア通算と比較しても大きく開きがあり、打撃スタイルは確実に変化したと言えるだろう。
(2018→2019でも多少の上昇が見られるが、ここでもグリエルは打撃フォームを改造しボールを見る意識を強めていた。)

四球率が上昇したという事は当然上にも書いた通り打撃スタイルの変化、選球眼の改善などが考えられるが、結論から言うとその通りである。

グリエルの選球眼関連指標

グリエルは例年は典型的な早打ちスタイルなのだが去年はスイング率が大きく減少。2020年と比較しても
スイング率 48.8%→42.8%
ゾーンスイング率 65.9%→62.2%
ボール球スイング率 37.8%→29.8%
とかなり控えめになっている。特にボール球スイング率は8%も下がっているので待球の意識が上手くハマったようだ。
もう高齢だし手が出てないんじゃ…と思った方もいると思うが安心して欲しい。2021年は
・ファストボール打率.330(336-111)
・落ちる球の打率.351(57-20)
・スライダー&カーブ系打率.277(137-38)
とあらゆる球種に対応出来ているのでその心配はなさそうだ。

②打球傾向

2020年のハードヒット率
150打席以降の不長期で大きく数字を落としている。
2021年のハードヒット率
夏頃に少し沈んだがすぐに盛り返している。

少々分かりにくいかもしれないが、2020年と比較してハードヒットの割合が6%程増していた。
2020年の不調期はボール球に手を出して弱い打球が増えていたので、選球眼改善した事で狙いを絞って強い打球を打てていたということになる。

③調子の波

グリエルは一言で言うとムラッ気だ。2020年シーズンまでは必ず絶好調の月と不調の月があったが、去年は違った。

2021年4〜10月、オールスター前、オールスター後の成績

2021年は最も打率が低かった月でも.273と不調でもまずまずという数字を記録した。過去と比較しても
2017年…打率.200(5月)
2018年…打率.224(4月)
2019年…打率.206(9月)
2020年…打率.154(10月)
とその差は一目瞭然。2021年は過去とは違いシーズン通して高い成績を維持したという事になる。
つまり、一時的な勢いではなく昨年は理由があった上での好成績だったのである。(信者並感)
今年も去年同様波を減らせれば自ずと成績からついてくるはずだ。

シーズンオフ〜オープン戦まで

散々理屈を捏ねてきたが、「じゃあ現状はどうなんだよ」とほとんどの方が思ったであろう。

今の調子は絶好調だ。

3/13にグリエルはInstagramを更新。そこには明らかに身体が引き締まったグリエルの写真があった。

本人曰く好物のピザとコーラを断ち、トレーニングに励んだ結果らしい。
この完璧な調整の甲斐もあり、オープン戦は打率.421 3本 OPS1.423と文句のつけようがない成績でフィニッシュ。万全の状態で開幕を迎える事となった。
グリエル擁するアストロズの開幕戦の相手はエンゼルス、ピッチャーは日本の宝大谷翔平だ。
多くの日本人が見守る中、ロケットスタートを決める事を願うばかりだ。

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