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女性が活躍するために~現場からは一歩ずつ。経営陣は大胆に。

 おはようございます。弁護士の檜山洋子です。

 私は、個人のお客様や会社のお客様からご依頼をいただいて個別の案件に取り組みつつ、数社の会社の社外役員としても活動しています。

 この中でも製造業を営む会社は、女性の活躍がなかなか進んでいません。しかし、それは女性の活躍に反対しているからではなく、気づいたらたまたま女性がいなかった、という感じのようです。

 2015年の女性活躍推進法制定と、2019年5月の同法改正により、常時雇用する労働者が101人以上の事業主は、一気に女性役員登用の必要性に迫られることになりましたが、社内での女性役員の育成が追いつかないために、私のような社外の女性の専門職に声がかかるようになりました。 

 役員をしている会社の中でも特に積極的な取組みをしている会社では、月に一度、女性活躍推進タスクフォースの会議が開かれ、そこに私もオブザーバーとして出席しています。

 経営会議、取締役会、監査等委員会、コンプライアンス委員会等の各種会議にも出席し、さらに女性活躍推進タスクフォースにも出席しているので、かなり頻繁にその会社には顔を出している感じです。

 女性活躍推進タスクフォースでは、男性は担当役員を含めて2人だけが本社から出席され、その他は各地の拠点におられる女性従業員がWebで会議に出席されています。

 このタスクフォースでは、女性ならではの視点で、仕事と私生活の両立のために会社に何ができるか、男性も女性も働きやすい職場にするには何が必要か、について議論します。
 具体的には、母、妻、嫁の立場にある女性だからこそ必要になる休みの取り方や、工場勤務の女性の作業服のデザインの話など、みなさん、自由に発言して議論をしておられます。

 この自由闊達な議論の結果、社内では労務管理体制を再調整しなければならないことも出てきます。
 そのような時には、担当役員が取締役会で説明をして全力で決議を取ってくれます。頼もしい!
 実際、工場で働く女性の作業着については、直ちに工場長への指示がなされ、改善されました。

 私は、ほんのたまに法律に関する発言をしますが、ほとんどは、一般女性としての素朴な意見ばかりを好き勝手に述べさせてもらっています。

 そして、この女性活躍推進タスクフォースの主導で、大阪市の「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」の認証を申請し、先日、2つ星の認証を受けることができました。

 大阪市のこの認証制度は、大阪市内に事業所を持ち、かつ大阪市内で事業活動を行う企業等が対象となるため、大阪市外の事業所については、別途所在の自治体の主催する認証制度にチャレンジしていくことになります。

 女性活躍のための認証制度には、他にも、国(厚生労働省)の「えるぼし認定」や「くるみん認定」があり、また、大阪府には、「男女いきいき・元気宣言事業者登録制度」や「男女いきいきプラス事業者認定制度」もあります。

 どんな認定を受けるにしても、認定を受けること自体が目的化してしまうことなく、認定を受けた後もますます、女性が男性と同様に働きやすい職場作りに邁進していきたいですね。

 現場で働く女性の何気ない意見を聞き逃さず、そこに何かの手がかりがあるかもしれないという意識を持って、組織をよりよくするためのヒントにしてただきたいと思います。

 私も、微力な女性ながら、そして、社外のよそ者的な立場でありながら、おばちゃん的な意見をずけずけ言い続けたいと思います。

 会社の制度改革は、現場からは少しずつ、経営陣側からは大胆に!ですね。


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