見出し画像

QAL(クイーン+アダム・ランバート)の「The Rhapsody Tour」——雑記

QAL(クイーン+アダム・ランバート)の「The Rhapsody Tour」日本公演、4都市5公演ドームツアー終了してしまいました。
私、大阪と東京に参戦。クイーンファン歴40年以上。QALも大好き。

2014年の夏、大阪舞洲、野外のどしゃぶりの雨の中、サマーソニックのヘッドライナーを務めたQALのアダムと初めてで会いました。
アダムの圧倒的声域と声量、繊細な表現に心底驚きました。
フレディ亡き後クイーンのライブを観ることはないだろうと諦めてました。(過去にポールロジャースとのコラボはありましたが) 

アダムは、フレディではないし、フレディとも声質が違う。それでも共通してるところもあって、それは歌声の多幸感。アダムの声はクイーンの曲とサウンドととても相性良いとおもいました。
それと、クイーンの楽曲を歌うには、歌唱力だけでなく、妖艶さ、華麗さ、可愛さも欲しい。幸い、アダムにはそれらの魅力が備わっていました。
フレディなら、アダムの声も人柄も気に入ったんじゃないでしょうか・・。二人は似てる点もあるので。。

その後、2016年来日の東京、2020年来日の大阪、名古屋、2024年来日の大阪と東京と、6回のライブを私は体験しました。

今回のライブは、4年前のライブから明らかにグレード・アップしてました。立体的に前後に配置されたスクリーン(スクリーンの切れてるところにも絵が写っていたのが不思議)、3Dのように奥行きのある映像、派手に光るビーム、プロジェクション・マッピングなどの演出は、超ハイテク技術(ブライアンとロジャー昔から最新テクノロジー好き)を駆使した美術セットが美しく、QALの音楽ととてもマッチしてました。
もし今フレディが生きてたら、、こんなもんじゃないゴージャスなステージを披露してくれたのではと想うだけで頬が緩んできます。

2020年に心臓の手術をした76才になるブライアンの繊細で華やかなレッド・スペシャル(ギター)も冴えわたり、74才になるロジャーのエネルギッシュなドラムビートもハスキーハイトーンも健在でした。

アダムも、12年に渡るQALの蓄積で力強く進化してました。今回のステージでは、10年前のサマソニ出演時にはいくらか残っていたアダムの、オリジナルクイーンへのリスペクトからくる遠慮もだいぶ抑えられてて、アダムの個性がより前面に押し出され、彼の持ち味が伸び伸びと発揮されてました。
アダムは元々、フレディへのリスペクトこそあれ、フレディの幻影に臆するようなタイプではないし、現在も以前と同様フレディとの共存の方向に向かってるようでした。

京セラドームで観たあと、千秋楽の東京公演も見たくてたまらなくなり、私は急遽リセールサービスでチケットを探しました。

東京公演では、ライブ中ちょっとしたハプニングがあって、そのときのアダムの機転は見事で、そのアダムの対応に観衆からは歓声があがりました。そんな光景、今までのQALライブではほとんど見たことありません。今回のライブでは全体を通して、アダムのフロントマンとしての余裕と自信があちこちで散見できました。
クイーンは元来観客参加型のバンドです。フレディはライブ中に観客を誘い巻き込むことがとても上手でした。その日の東京ドームでもアダムは、シンガロングやハンドクラップをいつもより多めに観客に促し、ステージと客席の相乗効果を感じさせてくれました。
ブライアンやロジャーがイヤモニしないのも、観客からのダイレクトな声援を聴いて一体感を感じたいからだとおもいます。

おもうのですが、(多分多くのクイーンファンもそうじゃないかと) 誰もアダムにフレディの再現なんて望んでないし、アダムはフレディの継承者でもない。クイーンはクイーン、QALはQALと、別もの。アダムにはクイーンの楽曲を彼の個性のまま歌ってほしい。
クイーンのボーカルを引き受けるにはどれだけ勇気がいったことでしょう。よくぞ引き受けてくれましたー。(他に世界中でクイーンのボーカリストできる人いますか。いるかもしれませんが、私はアダムがいい) 
フレディ、アダム以外で、"The Show Must Go On"歌える人いるとおもえないんですよね。
アダムがいたから、いまも私たちはこうしてクイーンのライブ体験できてます。
やっぱりおもいます、クイーン+アダム・ランバートの成功って、奇跡的なんやないかなーって。

ステージを去る時、ブライアンは、名残り惜しそうに何度も振り返ってました。でも悲壮感はなくて、満足そうな表情で。
ただそのときいつもならブライアンなら、「またね」と言うところ、今回は「さよなら」だったらしいんですよね・・・。

約2時間20分のショーが終わって、とても嬉しそうに演奏してたブライアン、ロジャー、アダムと、3人のサポートメンバーのことを振り返って考えてみると、いまさっき私が観たものは、もしかしてQALの完成形に近いものではなかったのか、というおもいがよぎり、満足なような寂しいような、なんかもやってしまって。
今後についての公式の発表はまだないですが、たとえこれが最後のQALライブになったとしても、それが、ブライアンやロジャーの決断、アダムの意思であるなら、私はそれを尊重しようとおもいます。
こんなに完璧で最高な思い出を残してくれたQALには、感謝しかないんで。
それでも、もしちょっとでもやれそうなら、また戻ってきてほしい!

QALライブを観た後には、オリジナルクイーンの楽曲が聴きたくなり、そして改めて彼らのオリジナルの良さを再確認することになります。だからといって、QALへの熱が冷めるわけではない。クイーンとQALは両立することがわかっただけでも、良きこととおもいます。

今回の公演「The Rhapsody Tour」のテーマとなっていたのは、AIの台頭、環境破壊、なくならない紛争・・・からの再生、平和(戦争のない世界)・・・と、受け取ったのですが、そういうテーマを含むこのショー全部を、ブライアンとロジャーが、次のステージに飛び立とうとしてる可愛くてたまらない息子(のような)(アダム)に贈った、盛大な花道でもあったのかなとおもったりしてます。

いまひとつおもってること。
今後、ブライアンとロジャーがアダムが歌う新曲を創ることはないのか・・?
なぜこの12年間で1曲もQALのオリジナル曲が生まれなかったのか? これ疑問。

 「The Rhapsody Tour」 - Live at Tokyo Dome(フルバージョン)
         
   できたらフルで観てほしい。音声だけでなく映像と一緒に! 

迫力あるオープニング観るたび、興奮してしまうww
QALの、魅せるステージを会場全体に届けたい意志がすごく伝わってくる。
0:00:53  Machines (Or 'Back to Humans') ~ Radio Ga Ga

ちょっと背中丸くなったけれど、こんなかっこいいリフかき鳴らす76才いますか?
0:04:52 Hammer to Fall

なぜか日本でしか歌われない曲
0:25:36  I Was Born to Love You

フレディ登場と大合唱、毎回胸に迫ります。
0:38:51  Love of My Life

今回初めてアダムが歌った。
0:43:29  Teo Torriatte (Let Us Cling Together) (手をとりあって)

アダム、うますぎです。
1:06:00  Who Wants to Live Forever

今回ツアーに相応しく示唆的で、ほんとに美しい曲。
1:20:42  Is This the World We Created...?

魔法がかかったように、色彩に溢れて夢のようなステージ。打ち上げ花火が上がり、クイーンのMVに登場する有名なアニメーションのキャラクターまで踊りだして・・
1:23:33  A Kind of Magic 

以下、終盤の怒涛の名曲のラインナップは圧倒的。
1:30:19  Don't Stop Me Now

アダムの長く伸びるビブラートのきいた美声。
1:34:43  Somebody to Love

フレディーがライブでは一度も歌うことのできなかった曲。
1:40:19  The Show Must Go On 

音楽に合わせて、光線と照明とスモッグが複雑に連動して、ステージ上は万華鏡の様。これぞ、ロックオペラ。
1:44:31  Bohemian Rhapsody

1:51:07  Ay‐Oh
1:52:09  We Will Rock You
1:54:48  Radio Ga Ga (Reprise)
1:57:03  We Are the Champions

ステージ中央からジェットスモークと紙吹雪が放たれ、God Save the Queenが流れる中、QALとサポートメンバー6人が横一列に並び、お別れしてくれました。
誰もいなくなったステージ上では、クイーンのアルバム"世界に捧ぐ"でお馴染みのロボット、フランクくんがひとりスクリーンの中から微笑んで客席に向かって手を振ってました。


フレディの「手をとりあって」Teo Torriatte 

フレディのLove of my life 

フレディのWho Wants To Live Forever

フレディの Is This The World We Created...?

今回、名古屋でしか演奏されなかった(多分時間調整で)アダムのKiller Queen

フレディのKiller Queen


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?