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出願〜NPO法人1年生になりたい

私の願いから誰かの願いに重なった

「まちのおやこテーブル」という大人と子どもに出会いと出番がある場を作る活動を始めたのは8年前。

仕事に忙殺され、激混みの通勤列車で会社と家、保育園を往復しながら幼い子どもを育てる暮らし。それでも、、、自分の楽しみを持っていたい!イベント企画が上手な保育園のお母さんに相談して初めて自分で企画した「子連れ忘年会」がはじめの一歩でした。

参加者はなんと60人!思った以上に親子が集まり、大人も子どもも喜んでくれて、自分の願いが他の人の願いにも重なった実感がありました。

この辺りに住む子どもたちは みーんな「まちのこ」

「夜の息抜きなんて久しぶり!」(知らない学年のお母さん)、「ねえ、またやってよ」(誰かの子ども)、「ソファーは立ちない、座るよ」(誰かの子どもに)。こんな風に自分の子どもか関係なく、ゆるやかに顔見知りになっていって、私は誰かの子どもと出会い、うちの子はほかの家の大人に出会う。そんな斜めの関係性がある暮らしになったらいいな。

子どもは出番を作るとどんどんできる

その後、平日夜に子どもと一緒にみんなで気兼ねなくごはんを食べる会を定期的にやりたいと動き始めたときに出会った衝撃の言葉が「子どもに失礼です」。のちに創立メンバーに加わってくださったモンテッソーリ教師の深津高子さんの言葉でした。

子どもには自分のことは自分でやりたい気持ち、自立の種が備わっている「球根」という子ども観。この子どもの見方からすると、大人は準備、片付け、子どもは遊んで食べて遊ぶという役割分担は子どもに失礼、となるわけです。

はじめは驚きながらも、乳幼児の出番を作っていきました。2歳くらいの子は案内板を置く、受付で名前シールを渡す、3歳はキッズコーナーのジョイントマットをつなげる、字がよめるようになった4歳は受け付けで声かけと平仮名で書いた名簿に丸付け。字がかける5歳、6歳は案内や今日のプログラムを模造紙に書いてはる。

大人が仕事を分解し、子どもが動きやすいように準備(今日の仕事を一覧にする、ゆっくり伝える、平仮名で書くなど)すると、乳幼児さんがこれだけのことができました。こうして、乳幼児も場づくりの一員として参加しやすい大人の関わり方を少しずつ工夫しながら、大人も子どもも暮らしの中でゆるやかに顔見知りやつながりが増えていく場づくりを「まちのおやこテーブル」として創立メンバーとともに重ねてきたのでした。

活動を通して、まちの子ども達にやりたい!がどんどんできてきて、そのぐんぐん成長する姿に大人も笑顔になっていくうちに、子育ては辛い・しんどい・肩身が狭いネガティブなことから、かけがえのなく面白いポジティブなことに変わっていきました。

地域づくりから社会づくりへ

自分たちが暮らしの中で得た学びを、住んでいる地域にとどまらず社会に還元したいと考え、NPO法人化することにしました。先日、NPO設立総会(出願する意思確認、入学願書の記載内容の確認のようなもの)を開催。それぞれ本業がある様々な13人の心強い仲間とともに次のフェーズに船出します。

9月20日付けで郵便で申請。順調に行けば年内か年明けに法人成りの予定です。

社会づくりとあっさり書くほど簡単ではないと思います。これまでの活動の地から杉並区に転居し、また血縁・地縁がない。子どもは小学生で、子育て真っ只中の当事者とのつながりもない。ないないづくしの船出ですが、どうなるのでしょう。1年生(出願しただけなので合格通知がくるまでは正確には0年生)の歩みを書いていこうと思います。

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