見出し画像

凄腕ナス農家さんの無化学肥料栽培はどうやっているんだろう?

10月第一週目の金曜日に初めて長袖を引っ張り出してきました。
九州もようやく秋本番のようです。季節が変わり猛暑地獄の次はうどん粉病地獄になりそうでしたが、病気なら事前に対処することができます。来年はもう1週間前倒しで全ての作業をこなして病気や食害を抑えられるように改善したいです。

さて、来年はどのようにしてナスを育てようか…と毎日考えています。中でも今日は肥料について考えている内容をざっくり文字に起こしてみました。


来年の施肥設計のメモ(赤色は慣行栽培・青色は無化学肥料栽培)

無化学肥料栽培に興味がある理由は以下の2つです。

  1.  食に関心の強い富裕層向けのオーガニックスーパーに出荷したい

  2.  化成肥料が環境に与える悪影響を懸念している


まず、1に関してはビーツを出荷させていただいているオーガニックスーパーのナスをみて、アザミウマの食害や風傷があるような、JAに出すとC品になるようなナスが高額で出品されていることに驚愕したことがきっかけです。私のような駆け出しの零細農家は苦労して栽培した努力を対等に評価していただけるようなお客様がいる土俵に行きたいと願っています。
そのためには人一倍お客様の健康を最重要課題として肥料や農薬にこだわって安心安全なナスを作る努力を重ねてないといけません。。

次に2に関しては化成肥料の粒1つ1つを被覆しているプラスチックが年月をかけて畑→川→海へと流亡している現状を知り、改善したいと思ったからです。というのも農業と並行して活動しているNPO法人唐津Farm&Food ではサスティナブルな生活を提案しているため、環境破壊の一端を担ってしまっているのが悩ましいです。

施肥設計を見て頂くとわかる通り、有機肥料だけではリン酸とカリウムが欠乏しています。ナスは肥料食い(水も食う)といわれるほど多くの栄養を必要としますが、やみくもに施肥量を増やすと窒素過多になり害虫が集まる原因になります。他の有機肥料を探してここを改善しないといけません。

一方で化成肥料を使用しない場合は肥料代がかなり抑えられることがわかります。仮にナス畑全体16aを有機肥料に切り替えた場合約4万円もコスト削減することができます。ただ有機肥料の欠点である肥料の効果が出るのが遅い(土の中で分解されて無機物にならないと植物が取り込めない)ということを考慮すると量は変わってくるかもしれません。

まだまだ難しいし恐怖心がありますが来年から徐々に慣行農法からオリジナルの農法に変えていけたらと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?