旅と写真と文章と。
伊佐知美のTwitterから飛び出した、3つの単語。
このたった3つの単語が連なったことばを聞いて、胸がたまらなくドキドキしてしまった。初恋の人の面影を、違う誰かの横顔に見つけたときのように。
そうだった、好き好き好き。
やっぱり私、好き好き好き。
私と同じ思いをした人が、この日本にそして海の向こうに100人いて、私たちは1つのコミュニティを作り上げたのだ。
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オンラインでコミュニティか。
チャットツールであるslackの招待状を受け取り、中に足を踏み入れた。
最近良く耳にするオンラインサロンやクローズドコミュニティ。
でも、本当にオンラインで人とつながることなんて可能なのかな。頭によぎる不安はあったけれど、「 #旅と写真と文章と 」この8つの文字が持つ吸引力はすごい。そう、まさかことばに恋をしてしまうなんて。
コミュニティのドアが開いた。世界中から、
「こんにちは、はじめまして」
みんなが自己紹介をチャットツールの中でつなげていく。
そして、画面の上で文字がぴょんぴょん跳ねて、会話が生まれた。
私たちがオンラインチャットの中で話し合ったこと
おすすめの旅先
旅中に聞きたい音楽
おいしいごはんのこと
身の回りの「Yoko」(?)
働き方について
毎日のように、誰かがことばを落として、みんなで共有する。
ことばのお返しに、可愛いスタンプをピコピコつけ合う。
ときには美しい世界の写真を投げ合い、まだまだ自分の知らない場所があることを認め合う。
外からは見えない、私たちの小さな秘密基地。
ただ、そのときは私の想像以上に早くやってきた。
「みんなで会いたいね。」
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そうだね。私もみんながどうやって動くのか、どうやって生きているのか。見たくなちゃった。
私は1年の3分の2を台湾で過ごしている。だから、たとえオンライン上だけであっても、「旅と海の向こう」にシンパシーを感じてくれる人と繋がりたかったのだ。
あぁ、でもオフラインでも会えるかもしれない。仲間になれるかもしれない。
#旅と写真と文章に恋をしている人たちと。
誰かの放った小さな希望は、みんなの思いを乗せて走り始めた。
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#旅と写真と文章と コミュニティ、初めてのオフ会「フォトウォーク」当日。
私はこのフォトウォークのイベントレポートなる文章を書くと、コミュニティのメンバーと事前に約束した。自分から言い出して、仰せつかった大役だ。参加メンバーの一挙一動に目を配らなくては。
プロのカメラマンである涼さんが、コミュニティのメンバーである私たちに写真の撮り方を教えてくれる。撮りたい対象に、思い切って近づいてみよう。ボケの出し方はね、カメラの設定をこうやってね…。
ふむふむ。かじかむ手でメモをとる。
シャーベットみたいな雪が残る新宿御苑で、
小さく控えめに咲いた寒桜を。
誰かが作った雪だるまを。
背筋がピンと伸びた並木たちを。
いいね、きれい、かわいい
と言いながら、思い思いに切り取っていく。
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うん。本当はちゃんとこのフォトウォークの全容を記録しようと思っていたよ。ただ、みんなでカメラを手に歩くのが楽しくて楽しくて。
誰かが言ったこと、やったことを記録するの途中でやめた。
今日もきっと旅の中の1日。感じるままでいいじゃないか。
言い訳?そうかもしれないね。
だからさ、ただ見て欲しい。
突き刺すような冷たさに包まれた冬の公園で、私たちが見たものを。
私たちが感じたものを。
ねぇ、世界ってとっても小さくてかわいい。
この旗を一緒に掲げることができたね。
みんなに会えて良かったよ。
そして、また会いましょう。世界のどこかで。
岸本洋子
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(文章中の写真は全て旅と写真と文章とコミュニティメンバーが撮影したもの。同じ空間にいるのに見えている景色がまるで違う…。面白いね。)
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