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寝ても覚めても

「いかんいかん」と思いつつ、寝食を忘れてしまうくらいに、自分でも驚くくらいに働けてしまう時がある。それは嵐のように突如やってきて、アドレナリンだけを注入し続ける。

結果的に、その峠を超えたときは体重が落ちている。今がその時期だ。筋力も落ちているのだろうし、栄養状態がいき届いてないことを物語っているのだから、この年齢になると、それは全く喜ばしいことではない。だけれど、体も心も軽くなる。この感覚が嫌いではない。どうかとは思うけど。

私の場合、自分が自分ではないくらいに、「もう、誰かが憑依しているのかもしれない」と働けてしまう時は、必ず、私を突き動かす人の存在がある。

「この人のために」という献身的な思いも少なからずあるとも思うものの、おそらく編集者魂としての伝えたい思い、というものが私を突き動かす。

この人の核心を、もっとたくさんの人に伝えられたら、もっとたくさんの人がラクになったり、楽しく生きていけたりするはずだ

という勝手な思い込み。自分でも「暑苦しいなぁ」と思うくらいの思い込み(担当する著者の方々には、よく「大森さんは暑苦しいわね」と言われる。「まずい!」と思うことはこれまで多々あったが、どうやら褒め言葉らしいのだと気づき、素直に「ありがとうございます!」と言えるようになった。素直になることは、本当に生きるのが楽になる)。

「この人をもっと知ってもらいたい」の欲が深いなぁ、と我ながら思う。

というわけで、この数ヶ月、寝食を忘れさせてくれた大きいプロジェクト、2つが世に放たれた。

神崎恵『老けない美容、老ける美容』

新刊書影


VOCE12月号 別冊付録『VOCE for MEN』

VOCE for MENカバー©️VOCE12月号 別冊付録より

そして、振り返れば、この数ヶ月は私の編集者としての欲深スウィッチがONされていたので、インタビュー記事や新規連載への取り組みの量が増えていた。私の「伝えたい欲」をかきたてられている人とばかり仕事ができて本当に有難い職業だな、と思う。

もっと社会が生きやすい世の中になればいいのに。

呑気で生きていきたいズボラな私は、だからこそ、まわりの方々にもなるべく呑気に生きていて欲しい、とシンプルに思う。美容メディアの編集者であるからには、美容をツールに、できるだけ皆が呑気に自分らしく生きられるような社会になるよう働きかけられればいいな、と思うばかりなのだ。


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