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生きててくれよ

ほぼ一週間前の話だが、『ゴッドタン』のマジ歌 ルーキーオーディションに蛙亭の岩倉美里さんが出演。これまでの芸人人生を歌にした、とされた歌のタイトルは、

ごめんなさい

いやぁ、話題になっていたので、構えていたが、それを遥かに超えるパワーで、番組中の劇団ひとりさん同様、「刺さったぜ!」である。

以下、歌詞

今まで作家さんに言われてきた言葉
「女にしては面白い」
「女がネタ書いているんだ 意外だな」
「女がハゲのカツラを被っているのは笑えない」
「尖ってる女は痛々しい」
「相方に抱きついているネタの時は胸は当たっているの?」
「普通に可愛く見えて ネタが入ってこなかった」
全部ヘラヘラして乗り越えてきた
全部ヘラヘラして耐えてきた
耐えられた理由は ただ一つ
私は…
私はお前らより絶対に面白い!
面白くないやつに見下されても全然悔しくない
面白い人は性別で笑いを判断しない
そこにある ただ面白いか面白くないか
ただ それだけ
それだけが紛れもない真実
たまにいるんだよねー 芸人でも勘違いしてる奴が
「彼氏いるの?」
「オレ全然お前のこと行けるけどな…ってウソじゃ!」
って
お前ごときに いかれなくてもいけてんだよ
簡単にいけるファンいってる奴が ほざくな
お前がマスかいてる間に
私はネタ書いて 必ず獲ってるよキングオブコント
「お前らは ゆとり世代 仲良しごっこだ」
「俺らの時代は こうだった」
「そんな事してたら売れない」
そんな言葉も含めて 全部ひっくり返してやるよ
全部! 全部 全部 全部 全部
全部 ひっくり返してやるからさ!
ひっくり返すまで死なないからさ
それまで アンタらも死なずにずっと
ずっと ずっと ずっと ずっと
生きててくれよ

お笑い界という男社会が極まった”ホモソーシャル地獄”の中、不躾に浴びせられるミソジニー(女性嫌悪/女性蔑視)のシャワーに向かい、岩倉さんはシャウトした。「もう、ヘラヘラしてはいられない」と宣言するこの歌は、武士が戦いの狼煙を上げるがごとく。

この他、ヒコロヒーさん、ラランドのサーヤさんも、マンスプレイニング(男性が女性に偉そうに説明するの意)や男性社会の無駄なマウンティングについて歌った(本当に、テレビ東京のバラエティやドラマは、ここらへんのリテラシーが頭抜けていると思う)。

常日頃、エンターテインメントと社会の相互関係を考えがちなのだが、現代の社会の保守的なジェンダー観を打ち破るには、お笑いの世界が変わるのが一番早いのではないか? と考えているところがある。

若い世代のシャウトに、きちんと呼応していきたいな、と思う。

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今日の一曲


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