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美術館女子、アナ・ウィンター、ディジョン……昨日、気になったこと

数日前にウェブサイト「美術館女子」がSNSで炎上した。

ターゲットはどこだ?

美術手帖の記事に、炎上したであろう理由が明快に書かれている。

『映える写真』を撮られることが『女性目線』であるとされていて、女性の興味関心は『自分を映え』させること、見た目(外見)の美しさだけに向けられているかのような、女性の内面(知性や専門性)に思い及ばない、男性の企画者の固定概念による『目線』が如実に現れているとしか言いようがありません。

個人的に、この分析に異論はない。

一方、マーケティングの意味合いからも考える。企画の目的は、間違いなく集客力の向上。つまり、「普段、なかなか足を運んでもらえない層に美術館にきてもらいたい」の結果であろうから、”普段来てもらえていないであろう層=中高年の男性”に足を運んでもらうための企画にせねば!という思いが考えうる。かなりの思慮不足とはいえ、その結果のアウトプットだったのだろうな、とは思う。つまり、「美術館女子」と設定した女性たちに向けたのではなく、メインターゲットはアイドル好きの中高年男性だったという……

そもそもは、読売新聞が仕掛けた「もし、AKB48が本気で新聞をプロデュースしたら?」という枠の一つの企画でしかない……読売新聞が美術館連絡協議会に、「新しい層にアプローチできますよ」と呼びかけた企画なのでしょう、きっと。

アイドル周りには詳しくないので検索してわかったが、AKB48のTeam8の活動自体、TOYOTAが全面サポートしているのですね。

うむ、なるほど。

昨日、夕方に時間が空いたので東京都現代美術館へ足を運んだ。明らかに観覧者は女性が多い。とりわけ現代アートともなると、若い女性が増える傾向にあると思う。私の体感値でしかないので恐縮だが、間違いなくそう思う。

枠が初めにあってから、そこに何かをはめていくことの難しさを思う。

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BLMの波及

そして、昨日はアナ・ウィンターが『VOGUE』編集長職を解任されるかも!? というニュースを読み、胸騒ぎ。

「私は、Vogueが黒人エディター、作家、フォトグラファー、デザイナーやその他のクリエイティヴに対し、働きやすい環境を提供し、向上させる方法を十分に見出せなかったことは重々承知しています。私たちは、人に対し苦痛を与えるまたは受け入れ難いイメージやストーリーを出版するといった過ちも犯しました。それらのことを踏まえ、私は全責任を負います」

『The Guardian』でも、人種差別を認めたアナはファッション業界を生き残れるか? という記事を掲載している。

『VOGUE』を刊行するコンデナスト社は否定。

なんとなくではあるが、私は編集長である現ポストのままでいるのは難しいのではないのかな、と思う。ファッション誌に携わる以上、好きか嫌いかは置いておいて必ずその偉大さを痛感させられる人物である。逆に、一時代を築きすぎたがために、時代の劇的な変化の大波をよけ切れないとも思うのだ。

「多様性」問題

さらに、昨日は、フランスのディジョンの映像を観て衝撃をうける。麻薬取引を巡ったギャング同士の抗争が勃発しているらしい。チェチェン人の麻薬ディーラー(16才)が襲われたことをキッカケに、チェチェン系とアラブ系の衝突が起きているのだという。

自粛生活に入る前に映画館で観た『レ・ミゼラブル』を思い出す。

ノンフィクションとフィクションの境界線が曖昧なだけではなく、ノンフィクションがフィクションを超えていく世界。

いろいろグルグルと気になってしまった上に夏バテも重なり、昨夜は、とても早く就寝した。梅雨はどこに行ったのでしょうか? 

本日も快晴なり。

追記】2020.06.28



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