ベガルタ仙台2021シーズン総括

今シーズンのベガルタ仙台の総括を。長くなりそうなのでnoteにまとめようかと思います。

1.補強の遅れ、編成面

 昨年はJ2降格がなく、翌シーズンもJ1で戦えることが決まっていましたが前任の木山監督の退任が決定したのが12/20の最終節湘南戦の前日だったかと思います。そして手倉森監督の就任が決定したのが確か御用納めの日だったかと思います。もう少し早めに監督人事に手を付けておけば選手の編成面の着手も早めに始められてよりよい陣容を編成できたのではないかと思います。債務超過問題などはありましたが強化費のバジェットは昨シーズンと同様に維持しているという話は社長からあったように記憶しているのでやはり補強がことごとく裏目に出たと思います。
 また、今シーズンの新加入選手で言うと加藤、アピ、真瀬の大卒ルーキー3人組の台頭が目立ったシーズンだったかと思います。ただ当初の目論見として日本人では皆川や秋山あたりの活躍を見込んでいたと思いますが全然額面通りの活躍ができず、スタメンはおろか怪我人が出ない限りベンチにすら入らない状況。上述のルーキー3人以外でシーズン頭からいた選手でいえば上原くらいしか戦力になっていなかったと思います。FWは富樫の加入でマシになったところはありましたが時すでに遅しでした。
 あとは外国人。恐らく2001年から僕が応援してきた中で外国人選手が一番多い年だったのではないかと思います。助っ人選手であり活躍が不可欠なはずでしたがまともに戦力となったのはGKのクバのみで、クエンカはケガの再発、マルティノスはチームの規律違反、パフォーマンスが低調だったシマオが契約解除となり、そのほかの外国人もネーシャはGKというポジション上仕方ないですが全員戦力になったとは言えない状況。特にマルティノスについてはどのくらいチームの和を乱していたのかは分かりませんがピッチ上でコロコロする姿などは浦和、マリノス時代にも散見されていましたし、そこもコントールできるという算段で呼んだのかと思っていたので7月末での契約解除はあまりに早すぎるし見込みが甘すぎたと言わざるを得ないと思います。結局昨シーズンのメンバーに毛が生えた程度の陣容で戦わざるを得ない状況でチーム内競争もあまり活発ではなかったと思います。

2.戦い方

 シーズンが始まると大量失点でゲームを壊してしまい、守備の穴を塞ぐ作業が急務だったと思います。おおよそ4月くらいからはある程度守備の崩壊は防げてきたとは思いますがそこから秋口ぐらいにかけては失点をしたくないという思いからか、守備に重きを置きすぎ75分くらいからやっと選手交代で攻撃に比重を置くような戦い方でした。得点、勝利を手繰り寄せられるくらいのパワーはなかったですしそんな短い時間では物理的に無理があったと思います。守備度返しとは言わないまでももっと自分たちから球際強く攻守にアグレッシブにチャレンジするサッカーをしないと相手と五分で戦うことはできなかったと思います。そして何より点を取らないと勝てないスポーツでありながらシーズン通してその形が見えなかったことが残念でした。

3.クラブの経営規模を大きくできなかった点

 今に始まった話ではないですが2010年のJ1昇格以降、クラブの売り上げを伸ばすことができなかったツケが回ってきたことも要因としてあると思います。下記ツイートにまとめられていますが20億台前半でずっと横ばいな状態で他のチームが成長を続けている中置いてけぼりになってしまいました。大体見てみるとJ1定着には最低でも30億以上は必要であることが分かると思います。

4.来季に向けて

 テグの進退論については当然こういう結果になったので出て然るべきだったとは思います。ただ冷静に考えたいのは今シーズンは誰が監督やろうがここまでだったかどうかは分かりませんが厳しい戦いになる見通しはついていたと思います。最初に降格した2004年以降チームは1年での昇格にこだわりすぎるがあまり監督を毎年のように変えてある程度土台が出来ていてJ1に手が届きそうなシーズンもありましたがスクラップ&ビルドを繰り返し、毎年1からの積み上げとなってしまった事から6年間のJ2生活をすることとなりました。この歴史を繰り返すわけにはいきません。3季連続で監督交代でゼロから立て直すのか、それとも殆どないながらも今年の積み上げをベースに立て直すのか。フロントがどう判断するのかが気になっていましたが11/23にテグの退任・フロント入りと原崎ヘッドの暫定監督の就任、そして来シーズンの続投発表されました。社長か監督か竹村強化部長の誰かは責任を取ることになるだろうとは思っていましたが結局テグが責任を取ることになりました。結果は勿論の事、内容的にも積み上げられたものが殆どなかったことを考えると致し方ないと思います。
 来季からJ2での戦いになるわけですが個人的には1年でのJ1昇格を狙って欲しいと思います。J2はご存じの通り一回落ちたらなかなか這い上がれない、いわば沼です。数年かけてなんて悠長なことを言っていたのでは千葉やヴェルティのようになってしまいます。ただ、戦ってみて現実的に難しいようなのなら一定程度の時間をかける必要性を考える柔軟性も必要だと思います。 印象深かったのは現カターレ富山社長の左伴繁雄さんがライターの宇都宮壱徹さんととYoutubeで対談していた動画で2015年、当時社長だった清水時代にJ2降格を経験。過去に降格後に1年でJ1復帰したクラブの特徴を分析し、最終節の試合終了後にゴール裏のサポーターに向かってJ1即復帰の3種の神器として①主力を残す②強化費を落とさない③社長が絶対戻ると言い続ける。と誓いサポーターから拍手をもらい見事実行を成し遂げました。実際にそのミッションを成し遂げた人の話を聞くと納得できます。

 最後にはなりますがサポーターは応援するしかできません。ただそのためには選手、監督、フロント含めクラブの覚悟を示してほしいなと思います。

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