開幕を直前に控えて

まもなく2022年シーズンのJリーグが開幕します。
開幕を直前に控えてここまでのまとめと今後の展望を述べていきたいと思います。

1.ストーブリーグの動き

 選手の出入りについては以前も述べたので詳しくは割愛しますが、2020シーズンオフはシーズン終了が遅かったうえに経営陣の入れ替えもあり監督を含めた強化への動きが他チームに比べると遅くなってしまいました。シーズンが始まると守備陣がなかなか安定しなかったところに攻撃陣の目玉だったクエンカが怪我の再発で契約解除、マルティノスはチームの輪を乱したという理由でシーズン半ばで契約解除となってしまい攻撃は機能不全状態に。やることなす事何もかもが裏目に出てしまったシーズンでした。それを受けてなのか今オフはシーズン中の10月から水面下で編成を開始し、手倉森監督が退任となった後の原崎監督の就任もスムーズに進めることが出来ました。
 以前、富山の左伴社長が当時清水の社長就任一年目に降格したあとJ1への再昇格の為の三か条として①主力を残す②強化費を落とさない③J1昇格と言い続ける、というのを掲げ見事1年でJ1復帰を果たしました。これに当てはめてみるとクバ、アピ、上原、西村らの退団はありましたが主力流出は最小限で抑えることができ、穴埋めも成功、強化費については1/27の取締役会で21年度の決算見通しと22年度の予算が発表され、21年度見込みの13億3200万円から22年度予算では13億7500万円となっており僅かではありますが微増することに成功しました。選手や監督、社長も必ず1年で昇格するんだと口にしていますしスローガンが「CRAWL UP 這い上がる」となっているところにも決意が伺えます。気掛かりなのは蜂須賀が怪我による長期離脱となったのと、新規の外国人が入国できない状況のためベガルタで言うとキムテヒョンとデサバトの2選手の入国のメドが立たない状況であるという事かと思います。

2.キャンプの経過

 米軍を中心に沖縄でオミクロン株の感染拡大が止まらない中、沖縄・糸満キャンプがスタートしました。糸満キャンプ打ち上げ間際にスタッフ1名陽性者が発生するという事はありましたがそれ以外でコロナによる影響はありませんでした。他チームではクラスターの発生でキャンプを切り上げたり、一時活動停止するという事もあったことを考えれば順調にキャンプを進められたのではないかと思います。トレーニング内容についてはクラブのYoutube動画や取材している新聞社の記事などからしか情報を得ることができませんでしたが強度は上げつつも和気あいあいとした雰囲気で充実していることが見て取れました。練習試合についても数回行ったようですが基本的に対戦相手、スコアともに非公表だったのでチームの仕上がり具合がどの程度のなのか知ることができず期待半面不安半面という感じでした。そんな中唯一2/4に行われた清水との練習試合の結果がリリースされ45分×3本形式のゲームを3‐1で勝利。遠藤のFKで1点と中山が風で伸びたロングボールに合わせたのとFKをファーで折り返したボールを合わせて2点とのことだそうです。後述しますが何はともあれ勝ち癖を付けることが大切なので練習試合であれど勝つことができたのはよかったと思います。
 そんな中、2/3にJ3福島から鎌田大夢選手の完全移籍での加入が発表されました。この時期での完全移籍での獲得、しかも福島で今年から10番を背負っている選手で間違いなく福島にとってみれば心臓の選手であることには間違いなかったはずです。主に福島ではボランチやシャドーでの起用されていたようでゴールに直結するようなパスやビルドアップ能力に優れているようです。先日発表されましたが、松下が怪我で6〜8ヶ月の離脱となったことから緊急補強をしたのではないかと予想しています。素早く代役の獲得に動いたところにもJ1復帰への覚悟が伺えます。

3.開幕してからの戦い方

 あえて言わせてもらいますが、スタートダッシュは危ないと危惧しております。なぜ?と思われるかもしれませんが、仮に開幕からロケットスタートを切ったとすると、ケガやコンディション不良、相手の研究などでバランスが崩れた時に軌道修正が効かなくなってくる可能性があるのではないかと心配しています。現に昨年昇格したジュビロと京都もスタートダッシュは成功したとは言えず、開幕後6試合目くらいから安定して勝てるようになりスタートダッシュに成功していた新潟と琉球の下にくっつき続け、京都は16節、ジュビロは18節くらいから入れ替わる形で昇格圏内に入り込みそのままシーズンを駆け抜けた形となりました。表現が難しいですが、ぼんやりしつつも7~8割程度形を固めておきながら試合を重ねるごとに軌道修正をして盤石な体制に固めていくような形が理想なのではないかと思います。なので、開幕から6試合くらいは2勝2分2敗くらいの結果でも構わないと思っており、10試合目手前くらいから勝ち続ける体制になれればと思います。案の定、スタートダッシュに成功していた新潟や琉球は中位でシーズンを終えております。また、競技は違いますが昨年のプロ野球セリーグの阪神とヤクルトも同じような感じだったのではないでしょうか。開幕からスタメンがばっちり固まって結果も付いてきた阪神でしたが佐藤輝明の53打席連続無安打や矢野監督の采配にも迷いが生じ始め夏場くらいから失速、逆にヤクルトは開幕後、打順や投手のやりくりなど探り探りという状況でしたが入国制限の影響で合流が遅れていたサンタナ、オスナが戦力として機能し試合を重ねるごとに盤石な体制となりセリーグ優勝、日本一を勝ち取るまでになりました。今季はW杯の関係でシーズンは短いですがとはいえ42試合闘い抜かなければなるのは変わりありません。先を見据えながらシーズンを闘って欲しいと思います。
 また、内容面も然ることながらそれ以上に勝ち癖を付けることにフォーカスする必要もあるのではないかと思います。2年間で11勝しかしていないチームですので勝利という成功体験が我々サポーターが思っている以上に乏しくなっている状況は考えられます。昇格をするには勝ち続けて勝ち点を稼ぎ続けることがシーズンを通して必須となってくるためそういった部分での植え付けもしていってほしいなと思います。

4.最後に

 最後に本当にしつこいようですが、1年でJ1復帰するためには
 ①主力を残す
 ②強化費を落とさない
 ③1年で復帰すると言い続ける

 あとは③のみです。これは我々サポーターでもできます。みんなで言い続けてシーズン最後に笑って終わりましょう!

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