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Q.ニュースレターを書いていますが、顧客が増えません。何を書けばよいのでしょうか?

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Q.ニュースレターを書いていますが、顧客が増えません。何を書けばよいのでしょうか?

ある程度顧問を持つ税理士です。毎月、お客様を増やそうとニュースレターを頑張って書いています。いつも時間がかかって大変なのですが、あまり紹介なども増えないようです。馴染みやすい法律の解説や、法改正などを丁寧に解説しているのですが、ニュースレターには何を書けば効果が出るのでしょうか?

法律の解説なんて、誰も読まない
ニュースレターを発行しているということは、普通の税理士よりもマーケティング的にはちょっと上を行く事務所です。毎月ニュースレターを発行するということは、文章を書き、印刷をして郵送するなどの手間がありますので、おそらく毎月大変な作業量だと思います。しかも、こういった仕事は職員からはなかなか理解されることがなく、結局所長自らニュースレターを作らなければならないことが多いようです。そして、毎月の苦労が報われないとなれば、続かなくなってしまうのも自明の理といえ、最終的に「ニュースレターではお客は増えない」となってしまうのです。

では、本当にニュースレターは効果がないかといえば、もちろんそんなことはありません。ニュースレターを発行して仕事を取り続けている士業は税理士だけではなく全国に多数存在します。

ニュースレターで仕事を獲得するポイントは、「法律のことを書かないこと」です。厳密にいえば重要な法改正などお客様に影響の出ることは書いて欲しいのですが、普段は法律の用語解説や裁判例の紹介などをしないで、もっとあなたのことや事務所の職員のことを書いてほしいのです。

「法律に関係する士業なのに、法律のことを書かなくてもよいの?」と思われるかもしれませんが、法律の情報だけのニュースレターでは読まれません。士業となるとどうしても法律で役に立ちたい、あるいは法律的に何か役に立たないといけないと思いがちですが、これでは読んでもらうことができません。今、あなたは士業として経営をしているので、法律に関することには興味があるでしょう。しかし、普通の人は法律のことを毎月読みたいかといえば、そこまでの欲求はないのです。

ここでハッキリといいましょう。経営に関係することでない限り、士業にとっては興味深くとも一般の経営者にとっては法律情報や裁判事例などは面白くないのです。面白くなければ読みません。読まなければ、毎月届いたとしても封を開けずにゴミ箱行きです。このような悪いスパイラルにはまると、ニュースレターからは反響がなくなり結果として、仕事の紹介もないのです。

個人的なことをもっと伝えよう
「重要な情報だから読んでほしい」そう思っても、あなたのクライアントでさえ「本当に重要なことは電話してくるだろう」と考えています。そもそも法律に明るくないからこそ士業に仕事を依頼するわけなので、法律の情報を送っても反響は取れないのです。

では、どのような内容が手応えを感じられるかといえば、前述のとおり法律のことだけではなく、あなたのことや職員の日常などを書いてほしいのです。「そんなことで仕事の紹介は増えるの?」と思われるかもしれませんが、まず法律で役に立とうと思っても読まれないという事実を認めましょう。そして、ニュースレターの目的は「法律で役に立つ」ことだけではなく、「もっとお客様に好かれること」です。結局のところ、好かれないと仕事は来ません。そして好かれるためにはあなたの個人的な情報をもっと公開し、共通点を見つけ出してもらう必要があります。そのために個人的な情報を出す必要があるのです。

実際に、この手のニュースレターに切り替えてから仕事が入った、という声はクライアント士業の中からも多く出ています。個人的な情報なんかで仕事が取れるのか? と思われるかもしれませんが実際に取れています。自分を出すことを恐れずにぜひ取り組んでみてください。

過度な期待をせず、定期的に出すことが重要
ニュースレターの送り先は、既存客と見込み客です。既存客にはできるだけ毎月出すようにしましょう。特に訪問頻度が少ない税理士は、何かアクションがないと「何もしていない税理士」と思われてしまう可能性があります。既存客はすでにあなたのお客様ですので、もっと好かれればより仕事を紹介してもらいやすくなるといえます。

これに対して見込み客、つまりはいつかお客様になるだろうというお客様については、配信頻度を決め、それを守るように配信しましょう。予算的に毎月は厳しいのであれば、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回でもかまいません。弊社のクライアント士業では、四季に1回配信するいわゆる季刊誌のような配信の仕方でも仕事が取れているという事例もありますので、必ずしも毎月ではなくとも仕事は取れるといえます。

ただし、できるだけ不定期発行は避け、定期的に配信することを心がけましょう。定期的な配信は媒体の信頼度を高めます。日刊新聞、週刊誌、月刊誌とペースを守って発刊しているものには信頼性があります。逆にいえば、発行予定日に出ない雑誌などは信頼感を得られないものです。

たとえば、ニュースレターの失敗パターンは、「毎月出します」といって毎月出せず、徐々に2ヶ月に1回になり、半年に1回となり……というパターンです。こういう発刊の仕方をする事務所と、2ヶ月に1回、必ず配信する事務所とでは後者のほうが圧倒的に信頼感がありますし、仕事ができるように見えます。

継続は大変かもしれません。しかし、ニュースレターを出すことによって次第にセミナーの告知チラシなども入れられるようになりますので、別の集客に使えるようにもなります。ぜひ、継続して取り組んでみてください。

【POINT】ニュースレターは面白く。法律の情報だけでは誰も読まない。あなたのことをもっと書こう。また、ニュースレターに限ったことではないが、媒体の信頼性は「定期配信」にある。不定期にならないよう、無理のない配信ペースをつくって守っていこう。

※掲載されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、書籍販売当時のまま掲載しています。

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