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Q.業務が完了したら、お客様のことを考えて、なるべく早く届くように郵送で届けています。

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Q.業務が完了したら、お客様のことを考えて、なるべく早く届くように郵送で届けています。

司法書士をしています。登記業務が主な仕事なのですが、登記が完了したらなるべく早くお客様の元へ登記関係の書類を郵送で届けています。お客様からは早くてありがたいといわれるのですが、このやり方は合っていますよね?

無形のサービスだからこそ、最後の印象をよくしたい

お客様から強く「郵送でできるだけ早く送ってほしい」という要望があれば、書類を郵送で納品することは正解です。ただ、もし今後もそのお客様から仕事を紹介して欲しい、あるいはまたリピートしてほしいと考えていたら、郵送で送るのは少し考えものです。

なぜ、最後に郵送で送ることが考えものなのか? それは、業務の最後郵送で終わってしまうと、あまりにも「あっさりとした終わり方」という印象になってしまうため、あなたの印象が残りにくいからです。元々私も手渡しで最後に納品していたのですが、手間を考えるとどうしても郵送のほうが時間もかからず便利だったので、郵送で納品するようにしたこところ、郵送で終わってしまったお客様からは紹介もリピートもあまり増えないことがわかったのです。これに気づいた私は、多少時間がかかっても最後は会う機会を設けてもらうようにしました。すると、やはり最後にお会いしたお客様からは紹介やリピート依頼がくるようになったのです。

よく考えて見れば、最後に会うことには多数のメリットがあります。ポイントは3つです。ひとつ目は、お客様が気になっていることや疑問点を念のために聞きたいことを確認できる機会になるため、さらにあなたへの信頼感が増すという点です。最後に会えないと業務完了後に出た疑問に関しては、電話やメールで回答することになります。私が行っている会社設立業務などは、設立した後も届出や税金に関すること、社労士や税理士の紹介依頼など多数の疑問・相談があります。ここまでカバーして初めて業務完了なのです。最後がメールでは、どうしても素っ気ない印象になってしまうのです。

次のポイントは、最後に会う機会があなたについてもっと知ってもらえる機会であることです。たとえば、司法書士の仕事は登記業務だけに留まりません。登記ひとつとっても、会社の設立もあれば相続登記もあります。さらに債務整理や少額訴訟などお客様が知らない仕事も多数あるのです。この機会を逃すことは、仕事を増やすことを放棄していることに近い意味があります。つまり、業務完了後、あなただけのプレゼンテーションの時間があるのです。

そして3つ目のポイントが、お客様の声をいただく機会であること。前述したとおり、お客様の声は事務所案内やホームページを作成する上で重要な販促材料になります。時間が経ってからも依頼できますが、業務が完了してお客様が満足している気分がよいときに口約束だけでももらえるとその後がスムーズになります。

このように、業務遂行後はあなたが次のビジネスにつなげるための最大のチャンスなのです。ですから、多少大変でも、そして短い時間でもできるだけ会いに行くようにしましょう。

その他の紹介を増やすテクニック

ところで、紹介を増やすという話題が出たので、ここで紹介を増やすためのポイントを解説しておきます。士業は結局近いところから探される存在です。ぜひできるところは実践してみてください。

①電話にすぐ出る
紹介をしてくれる人というのは、わかりやすくいうとよい意味で「おしゃべりでお節介な人」です。そういった方はメールよりも電話を好みます。ですから、常に電話のレスポンスを早くしておくことが紹介を増やすポイントになります。

②報酬価格はやや安くする
事務所の方針にもよりますので、いちがいにいえないところはありますが、あまり高い報酬額を提示していると、紹介を思いとどまらせてしまう傾向にあります。人はやはり「安くてよいもの」を紹介したくなるものです。あまりに高額な報酬設定は、よほど特殊なサービスがない限り難しいといってよいでしょう。

なお、既存のお客様がいて、あまり安い金額が提示できない場合には、「紹介用の価格帯」を準備しておくとよいでしょう。お客様には「特別なご紹介価格ですので、ご内密にお願いします」と一言添えれば、特別感が増してさらに顧客満足度は高まります。

③紹介の声がかかったら、条件付けをしない
せっかく紹介をいただいたのに、「うちではこういうお客様しか受けませんから」という態度では、紹介者の気分を害するというものです。ですから、紹介が来た場合にはできるだけ条件付けをしないことです。

④細かいことを聞かずに、会いに行く
たとえば税理士であれば、紹介していただける会社の規模や業種、仕分けの数などは事前に知っておきたいところですが、最初に質問攻めをしてしまうと「面倒な人」と思われかねません。ですから、業務の成約に関係なくまずは会いに行き、そこでじっくり話を聞き、合わなければ仕方がないと割り切ることも重要です。「成約しない話なら声をかけて欲しくない」と本心でいえばそうなのかもしれませんが、声がかかるだけでもありがたい話ではないでしょうか。そういった人の親切に感謝すべき、と私は考えます。

⑤会う人には親切にする
これは商売の基本かもしれません。人として好かれない人に紹介で仕事はやってきません。テクニックだけではなく、人間力を磨くことも極めて重要なことであるといえるでしょう。

【POINT】業務完了後は大きなプレゼンテーションチャンス。あなたのことをもっとじっくり伝えよう。紹介を増やすために、5つのルールを実践してみよう。

※掲載されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、書籍販売当時のまま掲載しています。

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