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財務状況を社内に公開する適切な範囲

久しぶりの執筆過ぎて、どこまで書いたかすっかり忘れている横須賀輝尚です。さて、ホラクラシーブームも過ぎ去った感はありますが(というか、次のフェーズにいっている気がします)、とりあえず書ききるつもりです。

ホラクラシー経営とアメーバ経営

名前はこちらの方が有名でしょう。京セラ名誉会長稲盛和夫氏が編み出した手法としてあまりにも有名です。アメーバ経営をすべて解説するなんてとても記事ひとつでは不可能なので、どこかで学んでくださいという感じですが、今回は「財務状況の公開」についてホラクラシー的にフォーカスします。

アメーバ経営では、財務状況を社内に公開します。ホラクラシーでも同じ考え方で、完全公開すると主張する人が多いです。なぜ財務状況を公開するかといえば、社員ひとりひとりが利益を出せるように、数字を意識しなければならない。そして、数字を意識しなければ、当然自分で考えて行動できない。そういうロジックになります。

ただ、財務状況を公開すれば、利益を出すために考えて動く社員になるかといえば、そんな簡単なものでもありません。ここでもそのための前提となるロジックがあります。それが、組織の目的です。

組織の目的には、「利益」がなければならない

数字を公開しても、考えて動ける社員にならないというのは、それは数字が「他人事」だからです。数字が上がろうが下がろうが、自分の給与に関係ないのであれば、正直倒産しない限りどうでも良い話題で、数字に関心があるのは経営者のみ。そういうことになりがちです。

ですから、公開の前にきちんと「組織の目的」に利益を出すことを盛り込みみます。そして、利益を出すことで社員ひとりひとりの給与に反映されることになるロジックを伝えます(会社によってはこれが評価制度になる。パワーコンテンツジャパン株式会社には評価制度がないので、結果と話し合いで給与が決まる)。つまり、会社の利益と社員にちゃんと関係があることを伝えた上で財務状況を公開しないと、意味がないわけです。

加えて、財務状況を公開するのはリスクもともないます。社員によっては財務諸表などが読めない社員もいるでしょうけど、中には読み込める人がいて、業績が不十分であれば、見切りを付けられてしまう可能性や、ライバル会社と比較される可能性もあるわけです。ですから、財務諸表を公開するときは、数字以上の「業績安定性」と「企業将来性」を合わせて説明しなければなりません。丁寧にやる必要があるんですね。

そして、財務状況のすべてを公開する必要もありません。要は、自分の行動がどの数字につながっているか分かれば十分。そういうことになります。そこで、パワーコンテンツジャパン株式会社では、「部門収支」なるものの公開まで、としているのです。これは、各事業の収支だけを公開し、その担当者がそれを知り、理解するというもので、会社のすべての財務状況は公開していませんが、いま自分が関わっている事業がどれだけ会社に貢献しているのかがわかるようになっています。

小さな会社には、このくらいが適切な公開かな、というのがいまの私の考えです。公開するのは簡単ですが、一度公開したものを非公開にするのは、不信の始まりなので、気をつけましょう。

新・ホラクラシー組織解説講座

今後も私たちのホラクラシー的組織論の記事は執筆していきますが、その全容が待てないという人は、こちらの講座をご覧ください。パワーコンテンツジャパン株式会社の組織論のすべてが詰まってますので。


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