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あなたの目的はどこにあるのか?

 2003年に私が開業した当初は、士業界は今よりももっと閉鎖的な空気がありました。「士業は営業をするべきでない」「目立った行動は控えるべきだ」という声が多くありました。

その中で、セミナー講師をしたり、ビジネスブログの活用で注目を集めたりすることは、同業者の先輩から見ればあまり褒められた行動ではなかったのかもしれません。

しかし、私は行政書士としてビジネス人生を始めると決めたものの、そのやり方は自分で決めたいと考えていました。そして何より私の目的は行政書士で成功することであって、同業者から好かれることではありません。ですから、法律に抵触しない活動に関しては、セミナーでも教材販売でも積極的に取り組もうと考えていました。

セミナーでも教材でも、世の中に提供する場合には、その時に作れる最高のものを提供しています。今振り返れば、5年以上前のセミナーはまだまだ詰めが甘いと感じますが、それでも内容的にはよいものを提供しているつもりです。しかし、残念ながらセミナー活動や教材販売そのもの行動が先輩にとっては面白くなかったのでしょう。おしかりのご連絡をいただくこともありました。

しかし、同業者からの注意勧告によって行動をやめたことはありません。アドバイスはありがたくいただきますが、私は行政書士として、そして資格起業家として成功したいと強く決意していましたので、歩みを止めることはありませんでした。それは、私の目的が明確だったからです。あなたが士業で開業するのは、どんな目的があってのことなのでしょう。当然、「同業者と波風立てずに仲よくするため」の開業ではなかったはずです。

今、士業は大きな転換期にある

何度も伝えていますが、士業は今大変な転換期にあります。さらにこの先の10年で、士業そのものマーケットも業界も大きく変わるでしょう。マーケットの縮小、報酬の低下、資格人口の増加など、「従来どおりの士業」にとってはあまり明るい話がありません。

しかし、もしあなたが「資格起業家」として、これまでの固定観念にとらわれず新たなビジネススタイルにチャレンジすれば、何も恐れることはないでしょう。同業他社と競争にはなりにくく、「あなただから必要とされる」ことも多くなります。士業専業だと正直なところあなたの代わりとなる人はこれからも増え続けるのです。あなたがもっと世の中に必要とされたい、役に立つ仕事をしたいと考えていたら、士業の仕事だけではなくもっと広い視野でビジネスに臨むことが重要になります。

今はまだ新しいやり方かもしれませんが、ここ10年でこのスタイルに変えてきている士業は増えてきています。こういったものは、できるだけ早く始めるほうが効果的です。同業他社に出し抜かれないよう、ビジネス的競争心も持っておくべきです。

恐れずに変化に挑戦しよう

競争という言葉が出ましたが、最近の世の中の流れとしては、不景気の中でいかに幸せを感じられるか、あるいはそのような経営ができるかという雰囲気が強いといえます。日本はこれまでにない人口減少という時代の中で、成長することよりも今あるものに感謝しよう、そういう空気を感じます。2011年3月に発生した東日本大震災もその流れに拍車をかけているといえるでしょう。

しかし、成長を止めた国、会社、事務所に未来はありません。

特に私たち士業は、企業の経営者と直接仕事をする数少ない個人です。こういう時こそ私たち士業がリーダーとなり、クライアントを牽引していくくらいの気概が必要なのだと考えています。

これまで天才塾を運営し、全国1000名以上の士業から相談を受けてきました。その中で成功した人は、「決意して変化した人」たちです。サラリーマンから起業家へ決意して変化した人、新しく資格起業家として、コンサルティングやセミナーに決意して取り組んだ人、それらすべての成功者が決意し、変化しています。今、恐れずに変化するときなのです。

任天堂は今では最大手のゲーム製造会社ですが、もともとは花札やトランプを販売する玩具会社でした。また、今では特にヨーロッパ圏で強いシェアを持つ携帯電話メーカー「ノキア」は元々製紙会社として設立された会社です。このように、多くの企業や業種が変化を繰り返して継続してきているのです。もちろん、扱う仕事は変わったとしても、変わらないものもあります。それが企業の理念であり、創業者のメッセージです。経営には変わるものと変わらないものがあるのです。

士業は業態的には変化すべき時にいます。しかし、それはただのお金儲けに走れという意味ではありません。「誰かのために一所懸命勉強し、その知識を活用する」という士業の本分を変えずに、ビジネスのやり方を変えていくということを意味しています。

士業で開業する多くの方が、「知識を生かした仕事をしたい」「誰かの役に立ちたい」といいます。もしあなたが真剣にお客様のことを考え、士業として貢献したいと考えていたら、これまでの士業のやり方に加え、新しい資格起業家というスタイルを取り入れてこそ、実現できるものだといえます。

変化することは誰でも怖いものです。しかし、新しい自分を手に入れるには、その不安を乗り越える必要があります。本書を読んでいただくことで、そのきっかけになれば幸いです。

※書籍販売当時に収録していた謝辞は、現在の公開には適さないため、非公開とさせていただきました。


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