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記事一覧

【映画】LUCY / リュック・ベッソン

ぼくたちは脳を15%くらいしか使えていない、という話から始まる。ほとんどの生物は3〜4%しか使えていない。この数字が、20,30,,,,100と増えていったら、、というSF映画。 ストーリー自体は普通というか、何でもありなSFの世界だからちょっとチープさも感じたけど、なぜ人間は15%しかその脳の働きを使えていないのか、という理論の解説が非常に興味深かった。 人間の脳機能や行動を抑圧する要因は、不安や恐怖にある、という説。これは現代の脳科学的にも言われていることだし、ぼくの

【映画】42 〜世界を変えた男〜

400人全員が白人だった1946年までの米メジャーリーグジャッキー・ロビンソンは、最初の黒人選手として道を切り拓いた。 公民権運動前のアメリカでは、トイレも、バスも、球場の入り口も、WHITE(白人専用) / COLORED(有色人種)などで区切られていたし、「人種差別主義」というイデオロギーが健在だった頃の時代。 ぼくたち日本人には、差別というものを日常的に感じることは少ないかもしれない。なぜ差別が起きるのか、自分が誰かを傷つける当事者にならないためにも、理解はしておき

【映画】ライフイズビューティフル

#ライフイズビューティフル #映画 - どんな状況下でも、 人生は生きるに値するほど美しい 前情報なしで観たので、終始コメディ全開で終わっていくものだと思って気を緩めて笑いながら観てたのに(普通に笑えた)、観賞後に映画ジャンルを確認すると「戦争/ロマンス」としっかり書いていた。 極限状態におけるユーモアの重要性も、希望を保ち続ける重要性も、同じホロコーストを題材にした作品「夜と霧」で学んだけど、この作品の素晴らしいところはそれを喜劇調で伝えているところに尽きる。 底抜

【映画】きっと、うまくいく

#きっとうまくいく #3idiots https://watch.amazon.co.jp/detail?asin=B00ITGLFVK&territory=JP&ref_=share_ios_movie&r=web - 定番作品かもしれないけど、初めて観た。 最高中の最高な映画でした。 教育現場に起きている暗い背景も描きながらの問題提起を主とした作品だったようにも思うけど、それをカバーして余りあるくらいハッピーな構成が本当に素晴らしいと感じました。インド映画ってあんま

【映画】ミスト

#ミスト #映画 「胸糞映画」という前評判通りの終わり方で、口を開けながらエンドロールを見てしまうくらいには動揺してたんですけど、全編を通して考えさせられる点がとても多かったのでシェア。イベントの課題映画にしました。おすすめです。 そもそもホラー映画を課題映画にセレクトした理由として「人間は極限状態に置かれたときにどういう精神状態になり、どのような選択をし、行動するのか」というのを客観的に見ることができる点を挙げていました。 今回の映画では、知識と権威で人を引っ張る者、

【映画】パプリカ / 今敏

夢と現実とがシームレスに溶けていくSFの世界観が描かれていて、この世界観に平沢進はほんとに最適だと思うけど、クセ強いから好き嫌いは分かれるだろうな。夜中に聴くと頭おかしくなる。 物質世界と精神世界。ぼくたちは他者の精神世界に入り込んだり書き換えたりすることは本来できない。言うことを聞かせるとか、自分を好きになってもらうとか、そういうのって自分が操作できるものではないじゃないですか。本来は。 このSF作品の中においては、相手の精神世界にアクセスができるようにはなるんですけど

【映画】アメリカンスナイパー

巨匠クリントイーストウッド作品 weekly ochiaiの中で、コロナ禍の自粛期間中に懸念されるメンタルクライシスについての話を聞いている時に出てきた、硫黄島での戦闘中に自衛隊員の95%が深い心的ダメージを負っていたという例が興味深かった。 「硫黄島からの手紙」を手掛けた巨匠クリントイーストウッドの作品を連続で観ようと思っていた時に、戦闘に参加した兵士の心情変化がわかりやすく表現されていると聞いていた「アメリカンスナイパー」を思い出して、今の状況に重ねながら観てみた

【映画】ミリオンダラー・ベイビー

今更ながら初めて観た。イーストウッドの世界観全開だったな。彼の映画はテーマはなんであれ、大切なものは何かを問われながら、いつも清々しい気持ちになる。最高だ。  ミリオンダラーベイビーは、死や倫理観を問うメッセージの強い作品にも見えるけどたぶんそこではなくて、個人の「生」に対してフォーカスされている映画だと感じた。それを決して綺麗事で描くのではなくて、賛否両論あるストーリーで表現するのがまた彼のすごいところ。  ぼくたちは、何に命を燃やすのか。燃やせなくなった時、もし

【映画】oasis

「普通」ではない2人が、普通の人たちから奇異の目で見られる様子が痛々しいほどに描かれていて何とも言えない気持ちになったし、一方で、そんな2人が2人だけの世界に生きている「ファンタジーな描写」も多く、明るいのか暗いのか、とても混沌とした世界観で話は進んでいくんだけど、社会悪、非常識、偏見、差別、いろんな逆境の中にある2人からくっきりと見える純愛がほんとうに綺麗に描かれていて、ロマンス映画としてはお見事な作品だなと。女優さんの演技もすごい。韓国映画すごい。 同時に、この映画

【映画】チェ39歳別れの手紙

チェゲバラ伝記作品最終章。 #モーターサイクルダイアリーズ #チェ28歳の革命 とくる3部作だと思っていて(もちろん他にも関連映画はあるけど)、全作品を観て初めてみえてくるゲバラの思想やリーダーシップ、そして、共産主義・資本主義の対立構造を見ることができて、対人関係から時代背景まで学びの多い作品だなと。 マルクスの資本論を読んでいれば、資本主義に警鐘を鳴らす共産主義の思想が見えてくる。スーパーパワー(超大国)であるアメリカが牛耳る資本主義社会の中で、ゲバラやカストロに

【映画】ドリーム[原題:hidden figures]

公民権運動真っ只中の1961年、黒人と白人との間に大きな隔たりがあった頃の話。 ぼくのポリシーとして、人の才能や個性、クリエイティブを脅かすものは排除したいといつも考えているんだけど、まさに「差別」はこの対象になるもの。原題のhidden figuresは、隠されたもの、つまり、埋もれた才能のことだとぼくは捉えた。 作中では、主人公の才能ある女性たちが、差別意識の強い環境や境遇に対して、権利を主張し、真っ向から立ち向かっていく様が描かれており、「前例」をつくるとい

【映画】銀河鉄道999

名作を観た。 話の流れをよく見ればツッコミどころが沢山あるんだけど、アニメ映画を観るのにそんな野暮なことを言うもんじゃない。それよりも、表現したかったものは何なのかを追求することや、気づきや学びをしっかり言語化する機会にする方が重要だとぼくは考えています。 来たるオートメーション化時代に対する警鐘を鳴らすアンチテーゼ的作品であると捉えれば、2020年現在、シンギュラリティ以前の時代を生きているぼくたちにも通じるメッセージがあるようにも感じる。 以前、森美術館で開

映画「チョコレートドーナツ」がやばかった話

こんばんは。 今日から音声配信しようと思ってたのに全然時間がなくて、結局文章を書いている横田です。 ついさっき観た映画「チョコレートドーナツ」の感想を書こうかなと。 感想今の世の中にも溢れているし、無くなる気配のない「差別」に対する描写、そして、「多数派がいつも正しいという価値観」がそこには描かれていた。 男性同士の同性愛カップルが、親が薬物依存で捕まってしまったダウン症の男の子の面倒を見ることになり、世の中の理不尽な視線と闘う、みたいな話、 なんだけど、 結局、

世界を知り、自分を知る。JFKの事例から。

こんばんは。ちょっと今日は真面目な、難しい感じで。長いけど、大切なことを相変わらずの殴り書きで書きました。3600文字。 おもしろい人生にしたいと思っている人だけ、今日は読んでね。 あと、こんなことが世界で起こってるんだぜ!みたいな知識ひけらかしや、その出来事の重要性の主張がしたいわけではなくて、知識がないから認識できていない世界があることがあることを伝えたいんだよね。今日はそんな感じでお願いします。では本題。

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