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30代の学び直し。アカデミックな知識を、デザインの武器に。

うちの近所にある杉並区立中央図書館付近のランドスケープが素晴らしい。こういう自然と居たくなる空間を設計しているのはもれなくデザイナーだと思うのですが、クライアントやディレクターに言われた設計図をただ形にするような労働者的デザイナーでは、こういういい仕事はできないと考えています。
(最近巷で増えている駆け出しデザイナーの多くがこの労働者的な働き方を目指していることに関しては、ここでは問題提起しませんが。)

ここで言う「設計図」というのは、目に見える図面の意味よりももう少し広義な「ビジョン、世界観」のイメージ。これを描けるかどうかは、作り手の造詣の深さがアウトプットに大きな影響を与えるものだと考えています。(実践で積んだ経験値もさることながら、人間や文化、歴史に対する人文科学的・社会科学的な情報量も特に反映されやすいのではないかと考えたりもしています。)

ぼくは、いちデザイナーとして第一線で活躍できるような一流の人材になりたいと思いながらも、自らの技術向上に対してはそれほど意欲的ではありません (技術面に関しては、ぼくのチームに優秀な人がいればそれでいいと思ってます)。
それよりも、もっと奥深くまで研究しアップデートされ続けている学術的な情報をインプットしていることや、ユニークな経験値・掛け合わせの価値を増やし続けていることを起点として、要望や課題に対する最も効果的かつおもしろい提案を実現できる能力の方が、ぼく自身のキャリアや存在意義においては重要なのだと考えるようになりました。最近はそんな感じで、これからの学び直しについて再考する時間が増えています。

ちなみに、先に書いた「学術的な情報」というのは、学者や研究者の方々の持つ莫大なインプット量をイメージしたものなのですが、例えば、経済学者の成田悠輔さんや、社会学者の宮台真司先生なんかは、2人とも歯切れのいい毒舌やキャラクターが話題になっていますが、彼らの持つ現実主義的な考え方やその引き出しの多さ、論立ての力の強さにぼくはとても惹かれています。

つまり、学者が持つ知識レベルに憧れを持っていて、ぼくはそれを身につけたいだけなのかもしれません。そのレベルでの論立てや戦略設計、ビジョン設計ができるデザイナーで居たいのだと、最近は新たなビジョンの取っ掛かりを掴めた(というより思い出してきた)ような気がします。

となれば、まずは大量のインプットを通して自分の中の確たる部分をより強固にしていくプロセスを辿るところからだと思ったので、最近はぼくがフォローしている学者や教授の皆さんが普段読まれている書籍情報を得た瞬間にkindleで購入し、読み進めるようにしました。

目標は現実的なスピードで、2年以内に新規1000冊の読了。いつかどこかで、と思っていた大学院での学びも含めて、その後のキャリアについていろいろ模索中なので、お詳しい皆さんのお知恵をお貸しください。

多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。