★★★★☆ パルプ・フィクション(1994年・米)監督クエンティン・タランティーノ

画像1 https://www.youtube.com/watch?v=LvMKZ8hwxVE 25年前に買ったDVDなのでまだCDケースだった頃のやつ。たぶん今回初めて再試聴したと思うから20年ぶり以上(前回観たのは『ジャンゴ 繋がれざる者』)。タランティーノはシナリオと演出が特別なんだなと改めて思った。なんてことないドラマが妙に印象的に仕上がる。でも次の映画で映画監督を終了するみたいなことを言ってるらしい。まだ若い(自分と1歳しか違わない)から後で撤回する可能性はありそうだけど。
画像2 先述したように、全体的に言えば本当に❝なんてことないドラマ❞というか、短いエピソードの積み重ねでできている。それが観る者に良い具合に緊張と緩和を与えて見飽きさせない。それほど大組織でもないヤクザ者たちのハードというかポップというか不思議な日常を描いて行く。最近、漫画「AKIRA」の蔵書を記事にしましたが、良く考えると大友克洋の漫画と似ている気がします。
画像3 悪人が主役のドラマだから正しくノワールでハードボイルドな世界。世界中でゲーム「グランド・セフト・オート」が流行り求められるように、タランティーノの映画も熱狂的に受け入れられる。GTAが有害図書だと憤慨してるような連中にタランティーノの面白さは理解できるはずがない。もしも彼らがこの映画を褒めていたら矛盾してるぜ。
画像4 このDVD観たのは二度目ですが、やっぱり面白かった。確かこれがタランティーノ初体験。ただ、今さらですがこの映画で一つだけ納得いかないことがあります。私はハリウッドのアカデミー賞受賞作より、むしろカンヌ映画祭のパルムドール受賞作に魅力を覚えて結構観てますが、『パルプ・フィクション』がパルムドールって何か違和感があります。文学賞で言えば、アカデミー賞は直木賞、パルムドールは芥川賞だと思っているので違うかなと。
画像5 映画の冒頭とラストが繋がっている。これ忘れてたけど面白かった。一つ一つのエピソードは本当に❝なんてことないドラマ❞なのに説得力がある。そのストーリーの発想とまとめ方のセンスがタランティーノの持ち味。だけど『キル・ビル』と『イングロリアス・バスターズ』は期待外れ。私は好きな作家や監督だからと言って何でも褒める気はないです。つまらないものはつまらない。

<(ↀωↀ)> May the Force be with you.