家族

問いを立てるデザイン ~Design of Family~

「卵子を凍結したことで、仕事が忙しい時期に結婚して子供を産むという大変労力がかかることを考えることから解放された」というスプツニ子さんの意見が印象に残っている。

特に日本では法的に規制されている卵子・精子バンクだが、女性の社会進出によって少子化が進む中でこれらが普及していく流れは止められないのかなと感じた。

今回はそのようなバンクが普及したこの先の世界について想像してみた。『空間を超えた多夫多妻制』に近づいていくのではないかと自分は考えた。

まずは多夫多妻制について。人の精子・卵子の価格が株のように値が変動するのようになると思う。その人がすごいことを成し遂げたら上昇したり、不祥事を起こしたら下降したり。その中でも、優秀な人やルックスがいい人の精子・卵子は人気になり、多くの人が購入して子供を作るのに対し、優秀でない人は売れ残ることが想像できる。これは人間の性の多夫多妻制への逆行のように思える。縄文時代などの村では村の中で祭りの際などに乱交し、できた子供は村全員で面倒を見ていたらしい。それが社会の秩序を守るため(?)に一夫一妻制に移行して現在に至ったものが、再びバンクを通して戻っているように思う。これは人間の本来の本能的にはマッチしているのかもしれないが、社会の秩序が崩れてしまうのではないかと言う不安もある。女性は自分のお腹で産めるため精子を買えば子供を作れるが、男性は全く作れない可能性もある。(自分が売れ残って子孫を残せないとなったらかなり焦ると思う。)

昔の多夫多妻制との大きな違いはインターネットを通じて空間を超えていると言うことである。昔は村の中で知り合いの人と子供を作っていたのが、世界中にいる人の中と大きく選択肢の母数が大きくなることになる。こうなると先ほども述べた人気さによる偏りがより大きくなり、優秀ではない人へのしわ寄せがより大きくなってしまうと思う。また従来の異性とのやりとりや駆け引きなどの必要性は薄れ、ただただ異性に選ばれるようにスペックを高めると言う方向にシフトしていってしまうのかもしれないと感じた。それはとても寂しいし受け入れがたく感じた。

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