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やるべきことを周りが理解してくれない、と思ったとき

こんばんは。売り方イノベーターのよくたろうです。

よくたろうは、会社でやるべきことなど積極的に進言してきました。そのせいで、若いころは、よく切り込み隊長などと言われましたが、切り込むだけではうまくいかないこと(の方がおおく)もあり、反省と実行を繰り返しています。

そんな時、こんな相談がありました。

■うちでこんな新しい取り組みを始めました。3月末までは企画チームで全体検討していて、実行フェーズになったということで4月から私が責任者となりました。しかし、実行計画に落とした時に、もともとのやり方ではうまくいかないことがわかったんです。そこで上司に、懸念をぶつけたんですが、「新しい取り組みで正解なんてわからないんだから、やってみて考えれば」と聞いてくれません。失敗するのがわかっているのに、無駄なこともしたくないし。ちょっと考えたらわかりそうなものなのに、なぜわかってくれないんでしょうか

こういうことは、どんな場面でもよくありますね。

■新規顧客を開拓したいが、営業がなかなか動いてくれない

■新製品に顧客のニーズを反映したいが、開発部隊が聞いてくれない

■新事業に取り組みたいのに、ついてこない部下

問題を感じているこちらからはやって当たり前と感じていることを、どうして相手はわかってくれないのでしょうか。

こうしたとき、「なぜわかってくれない」や「相手を説得しないといけない」と思うと、自分が苦しくなります。カーネギーの「人を動かす」でも書かれていましたが、極論を言うと、何人もの人を殺した凶悪犯ですら、自分の行為は正しいものであると信じて疑わなかったと書かれています。人それぞれ背景があり、信じるものがあり、その人にとってはそれが真実なのです。

先日のドラゴン桜でも同じようなシチュエーションがありました。東大合格の実力があるのに、父親に「女は学歴なんかいらない」と受験を反対されてしまった女生徒(小杉麻里)。それでも大学進学を目指そうとする娘に、父親は武力行使で高校を退学させようとしますが、ここで「なんでわかってくれない」「父親を説得しなきゃ」では何も解決しません。桜木先生がとったアプローチは、この父親がこう考えるに至った背景を理解し、敵対する関係性を変える、ことでした。父親対学校、という縮図にすると、父親もこちらを敵とみなし、あらゆる手をつかって反対してくることでしょう。これは、女生徒の大学に行く、夢を実現するどころか、遠ざけてしまうことになります。本来、学校と父親の目的は一緒のはずです。女生徒の幸せ、ですよね。

(ネタばれ:具体的には、事業に失敗したり、学歴コンプレックスがあったりした父親の背景から、娘が自分よりも高学歴になることでバカにされるのではないか、であれば娘を進学から遠ざけることで自分は娘から愛情を受け続けられるのでは、という父親の気持ちを桜木先生は察し、すでに娘からは父親は愛されていることを証明する行動にでました)

これは、ビジネスにおいてもとても重要な考え方です。

新しいことや、既定路線でないことをするには、必ず抵抗勢力は生まれます。この抵抗勢力の多くは最初は悪気はありません。芽生えた抵抗勢力を悪気あるものにするのは、ほかでもない自分なのです。対立軸にして、いかに相手が間違っているかを指摘したり、実際になにかの不利益に見えることが発生すると、抵抗勢力が力を増していきます。それに感化される人も出てきて、組織としてなりたたくなったりするんですね。

そうならないように、早めに対立による影響を少なくするかを考えるのがポイントなのですが、切り込み隊長のようなマインドセットの方は(よくたろうもそうでしたが)、自分にとって正しいことをいう、ことに正義感を感じているケースもあり、何気にこれもやっかいです。

新しいことをやりたい人は、自分が単なる切り込み隊長なのか、心からこの取り組みを成功させたいのか、どちらなのかはっきりさせましょう。そして後者なら、戦略家として、「成功するにはどうすればいいか」を冷静に考えるべきです。

今回のご相談の場合、よくたろうはこうアドバイスしました。

■「やってみて考えたら」と上司が言っているのであれば、「やってみながら部分的に改善提案させてください!」というアプローチに変えればどうですか?少し時間がかかるかもしれませんが、少なくとも前に進むし、今の○○さんだと上司の言うやり方を盲目的にやる、ということはないでしょうから、何か見えるものもあるかもしれませんよ。

その場は、わかりました!と元気に答えてくれましたが、翌日話を聞くと、どうやら上司からあれこれ言われ、我慢できずに「なんでわかってくれない」「あなたのやり方は違っている」と言ってしまったようで、「お前の話は論理性に欠ける」と言われ、堂々巡りになってしまったようです。「ただしいもんは正しいんだ、とおもってしまいました。。よくたろうさんの言い方でいけばよかったです」との反省を頂きました。

こういう思考や言い方も練習が必要です(よくたろうも練習しました!お風呂やトイレでシミュレーションしたりします)ので、すぐにできない場合は、まずは態度から変えていきましょう。わかってほしい、と思う相手には、相手をわかろうとする態度や真剣に聞いている姿勢を見せることも、敵対関係をつくらない大切なやり方になります。

本日の20字まとめ

「反対」はされるもん。影響を最小限にするのが戦略家の仕事



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