8:扁桃炎の話(3)

2日目。
また点滴を受けに行ったら、花粉症で診てもらったことのあるお医者だった。
花粉症の診察は正直とても形式的で、薬もこちらが「毎年これとこれ使ってます」と申告して処方されるだけだったので、お医者はどうでもよかった。

このお医者がダメなやつだと発覚した。
混雑していたせいかあからさまにテンパっていて、自分のカルテも多分まともに見ていなくて露骨に焦っていた。
舌圧NGと看護師さんがメモを出してくれているのに思い切り押されて
「でも見えないから(ヘラヘラ)」
おめーが下手くそなんだよ!
前日の状況を全く把握しておらずとんちんかんな質問を連発。
看護師さんが横から質問し直してくれたので、お医者をガン無視して看護師さんに答えて、さっさと点滴を打ってもらった。
処置室で点滴受けてる間も、診察室からこいつが患者さんに上から目線で話してるのが聞こえて「こいつダメだ…」って思ってた。

この日も帰ってからは激痛でかなり消耗した。

3日目。
また前日のダメ医者が来ていたのでげんなりして待っていたら、院長の診察室に呼ばれた。
元々院長がめちゃくちゃ愛想がよくて元気な方なのは診察室から漏れ聞こえている会話で把握していたけど、ビニールのカッパを着てゴーグルとマスクを身に着けた院長がさらにハイテンションで
「こんな格好でびっくりしちゃいますよねー!感染症対策なのですみません!」

多分前日の自分がキレた様子が報告されて「仕上げは院長」になったんだと思う。
「大変でしたね!点滴は今日までですが、お薬を出すので来週もう1度来てください!それまでに悪化するようなら我慢しないで連絡してください!」
舌圧も院長はさすがに上手だった。

その日も点滴は最後になったとは言え、まだまだ痛くて消耗した。つづく。