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2022.12.7 座り仕事とインチキ治療

一日中文章を書いていた。なかなか狙った雰囲気が出なくて苦戦する。量が多く、ぼんやりしているとゴールを見失いそうになるので、一気に突っ走る。集中には音楽もドリンクも不要。ひたすらにパソコンの画面と向き合う。

ただ、座り仕事は体に悪いとも聞いたことがある。調べてみると、たしかに「1時間座ると20分寿命が縮む」とか「死亡リスクが1.2倍になる」とかいった記述が見つかった。

むむ、単位が一律じゃないぞ。ソースはどこだ? そもそもなんで座っていると体に悪いんだ? 気になる、気になるぞ。世の中には信憑性に乏しい医療記事、似非科学情報が溢れており、検索で上に出たからといって信じるのは危ない。瀉血、武器軟膏、ホメオパシー、最近だと××など、いくらでもインチキ医療が思いつく。

まあ、調べてみたところ、血流を促す脚を使わないことで、肥満率や糖尿病リスクが上がったりするらしい。シドニー大学の研究が元らしく、厚生労働省にも座位行動の危険性が掲載されていたので、たぶん間違い。調べる上で、手品師界でもその名が知られている数学者、マーチン・ガードナーの記述が出てきたのが興味深かった。

マーチン・ガードナーはインチキ医療についてこんなことを書いていた。

風邪が長引いていたとする。治療のためにたまたまインチキ医者のところに行く。医者は患者に対して適当な治療をする。たとえば、オーガニック野菜のミックスジュースを飲ませるとか、岩塩を喉に塗り込むなど、科学的根拠はないけどそれっぽいことをしてみせる。その後一週間もすれば、風邪は自然治癒するのだが、患者はインチキ医者の治療(っぽいこと)のおかげで治ったと信じ込み、それを周囲に吹聴する。噂を聞いた病人がインチキ医者を訪れる……のループ。さもありなんだ。調べれば調べるほどインチキ治療の闇は深かった。

そうしているうちに時が経ち、作業時間1時間と寿命20分が失われた。

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