恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ【読書感想文】
「ときどき、自分のことを嫌う大人って、いたよね」
そんなふうに言われたら、どきっとしながら、ほとんどの人が頷くと思う。
わたしも「うんうん」と頷いてしまう。
そして幼馴染のおばちゃんの、笑った形を作ろうとして失敗した、強張った口元を思い出す。
大人だからって、なんでも上手にできるわけじゃないんだな。
というのは、子どもの頃の大発見だった。
そして、あれこれ上手にできない大人になったいま、また発見しかかってることがある。
わたしって、これ以上は大人になることなく、このまま