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#よんなな朝の歌 ’22.12④

2022.12.10 山崎まさよし「江古田」

おはようございます。二日酔い、ではないんですけれども遊んだ街の片隅で遅く起きた朝です。そんな朝は二日酔いで歩く街の風景を描いたこの曲はよく似合う。年に一度の非日常、悪友との大人全開のお遊びははここでおしまい。さて現世の波に挑みゆけ。
山崎まさよし「江古田」
午前9:19 · 2022年12月10日

 楽しかったんです、そりゃ気分もよろしい夜でした。令和の酒池肉林は女子大小路の先にある池田公園あたりに存在するらしいんです。25時を過ぎても男女の嬌声が飛び交い、公園の隅ではワンナイトをめぐる攻防が繰り広げられてましてね。そんな世界を見ておくのも悪くはなくて、そこに強く依存しなければ、起こった事件も何も「すべらない話」として昇華すればいいのですよ。
 悪友とこの近辺をクローリングすると何年に1回かはおかしなことが起きまして。軽めのボッタくりは可愛い話で、一番酷いのは飲み始めて10分足らずで県警のガサが入ったことでしょうかね。この話はまた別に…。
 「江古田」の話をしなければ。1999年発売のシングル「Passage」のカップリング曲として収録。メロディ的にはA面クラスの歌ではあるが、歌詞があまりにも限定的なシチュエーションなためにカップリンとなったとか。確かに二日酔いと失恋の歌をA面に持ってくる豪胆さは、持ち合わせなくて良い。どちらにしても、この歌の世界観は二日酔いの倦怠感と失恋の喪失感のようなもの、だ。この歌を纏って朝の地下鉄に甘い香水の香りを讃えた昨日着た服を着て乗れば、その草臥れぶりは完璧である。
 山崎まさよし。1992年、キティ・フィルムの俳優オーディションをキティ・レコードの新人発掘と勘違い。ただし歌唱力の良さを見出されデビューのつもりがキティの経営不振に巻き込まれて頓挫、不遇の時期を経て1995年デビュー。以降は広く知られた通り。

2022.12.11 魏如萱「Have a nice day」

おはようございます。人生は平坦でないと知っていても、自分の不幸話には心を見失う。でも、そんな日でも前を向いていこうって囁くように励まされたら、言葉の壁を乗り越えても頑張れるよね。皆さんも、私のお気に入りな声に励まされてください。
魏如萱「Have a nice day」
午前8:36 · 2022年12月11日

 今回は珍しく、海外のミュージシャンの曲を。日本ではアジア圏の楽曲とはいえ台湾のミュージシャンを取り上げることは本当に皆無じゃないかと。魏如萱を発見したのも偶然の産物で、時間に纏わる曲で24時間分の歌を選ぼうとしたときに、偶然彼女の「一時」という曲を見つけて衝撃を受けた、というのが発端。
 ジャンルとしてはポップスであり彼女の楽曲も歌詞の入っているものであるが、不幸か幸いか私に中華系言語への造詣がないがゆえに歌詞というよりも彼女の声に「心地よさ」を感じる。囁くような歌い方と不意に拳を突き上げるような力強さ。聞き流している限りはボサノヴァに似た感覚で、うっかりテレワークのBGMで流していても「あ、今、カフェでした?」くらいの違和感のなさも感じる。
 さて。「have a nice day」、この楽曲は2021年リリースされた同名タイトルのアルバムに収録されている。新しい服を着ればその日に汚す、好きな人には振り向いてもらえない、スマホを眺めても何もなく、体重もちょっと増えちゃった、月末は決まって金欠だし…。でもいい日であるようにと、背中を押すかのような静かな応援歌のような仕上がり。キラキラしていたいけれど、等身大の自分も愛せれば。そしてありのままでいいという心理的安全性をも。
 魏如萱。2003年、バンド「ナチュラルQ」のリードボーカルとしてデビュー。2007年よりソロ活動。台湾ではアリーナ級の会場でライブを打つ人気歌手。

2022.12.12 高野寛「ベステンダンク」

おはようございます。今週の窓がバタンと開いた月曜日の朝です。 ベステンダンク、ドイツ語で「ありがとう」。改まって伝えるのも照れのある言葉だけに、ライトでもいいから素直に伝えたい。満面の笑顔で、右手はサムアップなんかかましたりして。
高野寛「ベステンダンク」
午前6:04 · 2022年12月12日

 グーテンモールゲン、イッヒトリンケビア、ベステンダンク。おはよう、僕はビールを飲む、ありがとう。…昨日の夜までベステンダンクがドイツ語で「ありがとう」という言葉とは思ってもみずに。
 ちょうどベステンダンクの話になったのは、高野寛の他の歌から歌詞を拾って例え話をしたら、フォロワーさんが「ああ、ベステンダンクの人」と。意外な曲をチョイスされたなと感心しながら、高野本人のツイートを眺めていたら「ドイツ語でありがとう」と言っていた。1990年の世界でドイツと言えば、ベルリンの壁が崩壊した直後。Aメロも「こんなところにも壁が待っていた」と、それを想起させる歌い出しとなっている。
 ありがとうという言葉で、人は和むと信じている。有難き幸せ、施しを受けたリプライの言葉。意外に恥ずかしくて言えないこともあると。そんないい話になるとも思わず、ベステンダンクの意味を30年近くも流していた自分。改めて何だろう?と考えるきっかけを作ってくれた彼女には、昨日一番のベステンダンクを捧げた。
 高野寛。1988年「See You Again」でデビュー。1990年「虹の都へ」「ベステンダンク」がヒット。1995年「土曜ソリトンSide-B」に出演、筆者の趣味に大きく影響を残す(←関係ない)。小・中学校時代は「静岡県で一番人口密度の低い町(筆者の実家から2つくらい山越えた隣町←関係ない)」に住んだことがあるという。その他、アーティストのプロデュース・サポートは多岐にわたる。

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