ピンク1

わたしの顔を笑う子がいた。わたしのことをブスだと言って笑う子が。その子はわたしに整形を勧めてきた代わりに、自分自身のことは可愛いと言って大切にしていた。

彼女とユニバーサルスタジオジャパンへ遊びに行った際、「今日くらいは」と思ってピンク色のパーカーを買った。すると、「わたしのは白いから外で着られるけど、その色は帰ってから着れないでしょ」と否定された。わたしが手に取ったピンク、いろいろな葛藤の末ようやく自分を許して手を伸ばしたピンクは、わたしのものになった途端死んでしまった。

別の子に誕生日プレゼントを貰ったとき、「ピンクのイメージが無かったから」と水色のタングルティーザーを渡されたときは悲しかった。


ピンクは特別な色。自分のことを可愛いと認めてあげられる強い女の子だけが、手に取ることが出来る色。わたしのことをブスと言って笑う子とは縁を切ったけど、いつまた誰にブスと言われるかずっと怯えている。

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