ずっとやりたかったことを、やりなさい/ジュリアン・キャメロン

たまたまモーニングページというものの存在を教えてもらい、気になったので読んでみた。

他レビューでもよく見られたが、読みづらいです。もともとの内容が抽象的で難解(と思われる)なのに加え、翻訳ものにありがちな回りくどい文章に仕上がっているので、なかなかの苦行でした。言葉選びが独特なのもイライラしました。自分の中のアーティストとデートするという「アーティスト・デート」。要するに、細かいことは気にせず心の赴くままに気晴らしする時間を持ちましょう。と僕は理解したけど、それなら気晴らしの時間は大切ですよ、と書いてくれればいい。アーティストデートって全然ピンとこねーよ。

モーニングページも、文字通り毎朝思い浮かんだことを3ページ書く、という習慣なんだけど、僕としてはなぜ朝なのかが知りたい。夜じゃダメなんだろうか。いつもより30分早く起きて書きましょう、とか書いてあるんだけど、子育て世代ってただでさえ朝早いんですよ。それをさらに30分繰り上げろって?そんなの続かないって。それとも子育て中は創造的な人生は諦めろって暗に言ってますか?絶望に屈するな的なことを書いておきながらお前が絶望を与えるのかよ。もういい。俺は夜書くからな。

こんな感じで思ったそのままを書いていくと、頭の中のデトックス効果があり(脳の排水と書いてあった。こちらはイメージしやすい)、創造性を回復させる効果があるそうです。今のところ2回ほどやってみたけど実際気持ちいいです。僕はいつ頃からか分からないけど、頭の中にちょっとした汚れがこびりついているような、全体的に脳が薄汚れてきたような感じがあるんですが、それが掃除できた感覚でした。部屋を掃除した後のスッキリ感、充実感に似ています。これは他では得難い感覚だと思います。

本書、全12週間のプログラムが組まれており、それぞれに目的があるんですが、プログラムと目的がどうリンクするのかが分かりづらいです。結局やることは3つだけじゃない?毎朝のモーニングページ、週一のアーティストデート、そして最終日のチェックイン(1週間の振り返りのこと。締め括りなのにチェックインて。これにもイライラ。)の3つ。これを毎週回していく。各章の詩的でとっても分かりづらい文章をがんばって読み解いた先に示されるプログラムはいつもこの3つです。本書の中で、他人を振り回し他人の時間を奪うクレイジーメーカーなる人物に気をつけろと書いてあるけど、この本自体がそうじゃないかな。

とはいえ、モーニングページの気持ちよさは、ちょっと変わりになるものが思い浮かびません。それに、この手の本は実際にエクササイズをやり終えてみないと価値が分からないので、あまり気負わず12週間やってみようと思います。でも、朝はきついんだよなあ。

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