とにかく散歩いたしましょう/小川洋子

小川洋子さんの小説は結構好きで何冊か読んだが、エッセーは初めてな気がする。

小川さんは心配性のおばちゃんだ。あらゆることに心配している様子がそこかしこに出てきて、最初はクスッとするが次第に、「どんだけ心配なの・・・」と呆れに変わり、いつの間にか「また心配してる笑」と微笑ましい気持ちになっていた。

印象に残ったのは、「機嫌よく黙る」という一遍。もうタイトルが素敵だ。とても共感したのが以下。

”一つ 問題 なのは、 機嫌 よく 振る舞お う と する と、 なぜ か 口数 が 多く なる こと なの だ。 ~ 必要 以上 に 自分 の 機嫌 のよさを アピール しよ う と する。 決定的 な 失言 は、 しばしば こういう 時 に 発生 する。 ~ 家 に 帰り、「 なぜ あんな こと を 言っ て しまっ た のか……」 と 後悔 し、 頭 を 抱える。”

機嫌よく黙るができたら救われる人は多いんじゃないだろうか。

あと、「ハンカチは持ったかい」という一遍の、森鴎外が娘を溺愛していた話もとても素敵で、「へー見た目怖そうなのにな」と思っていたが、あとでググったら僕の頭に浮かんでいたのは正岡子規でした。似てるよね。そして、検索した画像の中に紛れ込んでいた、バイきんぐ小峠に気付いて吹き出してしまった。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?