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11月1日 すべてGoogleのせい

夫と飲みに出かけようとして、初めて行く焼き鳥屋さんに電話した。

「今夜ですけど、席は空いていますか?」と聞くと、
「えーと、誰ですか……?」という。

初対面なのだった。

もちろん、予約するのだから名乗るつもりだ。
それにしてはなんだか様子がおかしい。
そもそもなぜそんなにおびえているのだ。

「あれ、こちらは焼き鳥屋さんではないのでしょうか……?」
と、こちらもおびえつつ答えた。
「焼き鳥屋ではあるんですけど、どちらでこの番号を知りましたか……?」

普通にGoogleなのだった。

店名を検索しただけだ。
まさかそんなにカクレガ的なお店とは知らなかった。
あれほど堂々と大通りで看板を出しているではないか。

おびえつつ電話を続け、おびえながら我々が突き止めたことは、
なぜか店長のプライベートの番号がGoogleマップに載っていたということだった。
危うくストーカーかハッカーか何かと誤解されるところだ。

お店の予約をすると見せかけて、君の電話番号や住所など筒抜けだと匂わせる。
何時に仕込みのために出勤するかも、帰宅する経路もわかっているぞと脅す。
それはおびえられても当然である。
すべてGoogleのせいだ。

果たして、とても美味しいお店だった。
串も、サイドメニューも凝っていておもしろかった。
夫も私もすっかり気に入って、再訪を心に固く誓った。

次は食べログから電話する所存だ。

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