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【宣伝会議】Internet Marketing Forum 2019

出張報告も兼ねて。

目的①:外に出て、外の風を浴びる

まずは何より、外の風を浴びないと。

後輩が送ってくれた、社外取締役との懇親会メモにもあった。

「外にいる僕だからわかるけど、君たち、中すぎて、ヤバイよ。」

というわけで、とりあえず登ってみます。

会場は、溜池山王駅からほど近い、ANAインターコンチネンタル。

満席で聞けないものも多くて、残念だけど。(席はネット予約の段階からだいぶ争奪戦)

可能な限り、触れてみる。

目的②:直近のマイテーマ「コミュニティマーケティング」に関してはまだまだ「学び」の時期で、情報のシャワーを浴びてみる

現存する最後のバブル雑誌・東京カレンダー代表取締役。

あなたの手帳のカレンダーを素敵な思い出で埋めたい=コンバージョン重視でもともと生まれた雑誌。

それが、体験重視のこの時代にマッチしたのかもしれない。

雑誌の落ち込みは、石炭業界の落ち込みよりも激しい等と言われている。

でもそんななか、東カレは調子いい?

なんで?

ユーザーの流動性が上がり、マーケティングコストが肥大化する時代。

情報のサイクルが短くなって、陳腐化のスピードはとてつもない。

だから、
リーチ至上主義→エンゲージメント重視へ。

それのおかげっぽい。

デジタル時代のファンコミュニティマーケティングを紹介してみましょう。

東カレは、ファンミーティングが大人気で開催されるほど、「屋号」だけで来てくれるファンがいる。

自社スタッフで企画から運営、有名人も、縁もゆかりもない人を呼んでいるのではなく、ファンだから来てくれる人ばかり。

色んなイベントをやってきたけど、外の会社を使わない。

心を込めようとしたら、内製になった。

手作り感って、ブランド棄損になってもおかしくないんだけど、結果、ユーザーさんは喜んでくれた。

企業としてチャレンジする姿勢に、ファンがついてくる。

企業としてのアティテュード。

もちろん、すごく高いリスクも孕んでいる。

最高に面白いイベントができる!という確信が出来るまで、イベントをやらなかった。

戦略×スピリット

この両軸が、この時代に必要な思考回路。

では、戦略について。

◇なぜファンを作るか?

戦略を考えていく前に、まずは、「なぜ」を理解しなければいけない。

①マーケティングに「積み上げ」と「持続性」をもたらすため
→商品に紐づくフローで消えるユーザーではなく、屋号そのもの・ブランドに紐づくストックできる「ファン」を作る。

KPIは、記事のPVではなく、「東京カレンダー」指名検索の数にした。

こういうものは増えてきている。箕輪編集室とかもそう。モノじゃなく屋号で選んでいる。

②ファンこそが最強のインフルエンサー
→最も低コストでコンバージョンレートの高いプロモーション

東京カレンダーはSEOに1円も払っていない。

オーガニックな、ファンからのシェアで拡散している。当然それらはCVRが高い。

広告費を削らないと利益なんて出ないから、このインフルエンス力を使うのがこれからの利益の出し方。

③活動のモチベーションを得て、作り手に熱量を生む
→自分たちのお客様がどのような顔で、声で、楽しんでくれるかを追い求める。

出し手の自信につながる。

クリエイティブがめちゃくちゃ大事だから、コンテンツ作りの自信は非常に大事。

◇どうやってファンを作るか?

"マス"は概念として存在するが、実体としてはもう、存在しない。

「リーチ」はしても「マイコンテンツ」と思われていない。

みんな同じのっぺりとした情報に食いつく時代は終わった。

大きくて、実体のない何かに働きかけても、何かが動くわけもない。

覚悟を決めて、自分のビジネスのターゲットは誰なのか?と、気合を入れてターゲティングしないと何もできない時代になっている。

東カレのターゲットは5%~7%の、高年収層。

今一番メディアとして数字が取れるコンテンツは?

→貧困と将来不安。

だからこんな時代の中で、「高揚感のあるつややかな人生を賛美し、時代を活性化するエネルギーになりたい」

それくらい刺さるコンテンツを作ろうと思うと、共鳴と反感はもう、ワンセット!

嫌われるリスクを恐れて、明確なターゲットを意識しない発信をするのは、ある意味で、売り上げが立たないという、最もリスクの高い行為をしているのと同じなのでは?

そういうつもりでいること。

次に、セグメンテーションをすると、ビジネスがスケールしないのでは?という恐れについて。

いやいや落ち着いて。

売り上げ=客数×購買単価・点数×リピート率

どこを伸ばそうと思っているのか?

自分たちのビジネスの設計とサイズ感に基づいて、どの濃度で、誰に、どれくらいコミュニケーションをとるか?ということを考えていく。


◇ファンコミュニティの今後

自社の下部組織のような「東カレ倶楽部」というインフルエンサー組織を立ち上げた。

彼らにビジネスの種を明かし、ファンと共にブラッシュアップ・創造していく。

自分の企業の一番乗り会社の人たちと、ともにビジネスを創造していくという面白い時代がやってくる。

目的③:「デジタルマーケッター」という専門性の未来を知り、自分が目指したいプロ人材像を思い描く

Smartnewsマーケティング担当執行役員

現代はすでにパラレルワールドの世界。

旧リアルワールド(物理的世界)、新リアルワールド(デジタル世界)。

デジタルの中の世界もリアルであって、二つの世界が共存している。

だがこれも過渡期。

パラレルワールドは「ゼロフリクション」ワールドの手前。

人間社会は、ゼロフリクションワールドに向かう。

音楽の世界は、すでにゼロフリクション化。

では、マーケティングの世界はどうか?

実は、手法論が先行している。

オフラインかオンラインか?どのルートを使うか?カオスの世界。まだ、旧世代状態から脱却していない。

だから、パラレルワールドに対応しなければならない。

具体的には?

きk

基点じゃない。起点。そこから始まる。

つまり「誰をどうしたいのか?」と考えること。

それにあたって、このピラミッドを考えるだけでも、感度高く分析できる。

まずは、「誰」。

次に、どうしたいのか。

普及率16%がキャズムの谷であると言われており、これを超えないとサービスは絶対流行らない。

5つのセグメント分けしたあとに、それぞれの層で「行動データ」「心理データ」を分析していく。

その後、接触メディアを見て…というように、分析していくのが王道だが、これだけだと本質を見誤る。

そこで5セグメントからN1分析へ

N1分析=明確な一人を意識すること。

1on1インタビューを10人行えば、ある程度答えが見えるもの。

なぜN1がいいのか?

例)絶対喜ぶプレゼントを考えましょう。誰が一番簡単ですか?
①親友ひとり
②会社同僚10人
③世田谷区在住の30代主婦300人

…ここからわかるように、大きくとらえすぎる「マス思考」では、最大公約数にしかならず、ボケる。

というように、デジタルの世界で大きなデータを取り扱うこと、目の前の一人をリアルに想像すること、どちらのスキルもそろって、これからのマーケティングになるということがわかる。

これからのマーケッターの役割と働き方は。

「デジタルマーケッター」という言葉は一世を風靡したけど、その肩書だけだと、行動範囲が狭まるからもったいない。

あくまで、顧客起点。

顧客自体が常に変わっていくのだから、起点も常にアジャスト。

まあ、要は広く・深く・マーケ目線と現場目線で頑張ろうってこと。

いや、スーパーマンだな。

でも、プロ人材化って、それを目指せよって話なんだろう。

ハナから諦めてたら、何一つ成し遂げられない。

言うは易しとわかってるんだけども。


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