遅ればせながら明けましておめでとうございます。
今年も不定期ですが少しずつnoteを書いていきますので、よろしくお願いいたします。

さて、今年のバンドネオン&ギター【タンゴ・グレリオ】の初動画は昨年秋に開催した≪大阪ナイトクルーズ&タンゴ・コンサート≫を元にした特別編。道頓堀から中之島へ至る水都・大阪の美しい夜景と、バンドネオン&ギターが奏でるタンゴの名曲Flores Negras(黒い花)をお送りします。
4Kにも対応した美麗映像をぜひご覧ください！

日本からはるか遠い地球の裏側の都市ブエノスアイレスですが、実は大阪とよく似た点があるのはご存知でしょうか？

どちらも水運・海運で栄えた港湾都市であり、特に20世紀に入って街が急成長し整備されていったという歴史も共通しています。
またブエノスアイレスはタンゴをはじめとした様々な芸術の発展に力を入れている文化的な街ですが、大阪も古くは上方と言われ、日本を代表する文化都市として発展してきました。

このように文化芸術や観光など共通課題を持つ大阪とブエノスアイレスは、友好協力都市の協定を結んでいます。

昨年の≪大阪ナイトクルーズ&タンゴ・コンサート≫はこういった点を踏まえて、水都・大阪からブエノスアイレスに想いを馳せるひと時を設けようと、関西を代表するタンゴ・サロン「カフェティン・デ・ブエノスアイレス」さんの企画・主催により開催されました。

今回作成した動画ではフランシスコ・デカロ作曲の「黒い花（Flores Negras）」を演奏していますが、この曲を選んだのには理由があります。
この作品は1927年の作曲で、当時はフリオ・デカロ六重奏団が新しい時代のロマンチックなタンゴとして一世風靡し、タンゴの第一次黄金時代が訪れていました。

そして同じ1920年代前後、大阪は当時の東京を凌ぐ都市として成長し、「大大阪時代」と称されるほどの繁栄を極めていました。
この時期に大阪は区画整理され、多くの美しい建築が立ち並ぶ世界有数の大都市となっていました。
残念ながらその後の室戸台風や第二次世界大戦の戦禍で街は荒廃、戦後も貴重な建築は失われつつありますが、中之島図書館や中央公会堂など往時をしのぶ建物は現在でも残されています。

今回の動画はそんな2つの街の華やかな時代をイメージして制作しました。

クルーズ・コンサートは私たちにとっても大阪というなじみ深い都市をより深く知る機会になりました。
90分のクルーズで大阪ミナミの道頓堀を通り、東横堀川を北上、中之島付近を通り抜けていくコースは水都・大阪の中心部を通り抜けていく船旅でした。

グリコやかに道楽などの巨大看板で有名な道頓堀は大阪を象徴するような風景ですね。
道頓堀川はもともとは1612年に安井道頓という商人が私材をなげうって開削した人工の河（運河）。その後、幕府によって道頓堀付近に芝居小屋が集められ、芝居客めあてに多くの飲食店も軒を並べるようになり、大阪有数の繁華街となっていきました。

いまでは芝居小屋自体は残っていませんが、歴史のある劇場や演芸場に加えて、ジャズやダンスホールなどの新しい文化もこの地域からいち早く流行するなど、庶民の娯楽の街として長らくにぎわっています。

そして中之島周辺はガラリと雰囲気が変わってオフィスビルの立ち並ぶビジネス街。江戸時代から「天下の台所」と称されて水運の要衝として発展した大阪の経済の心臓部です。
実はビジネス街でありながらJRや私鉄の主要駅から遠いという不便さがある地域ですが、それを補うように様々な文化施設が集まり、多くの歴史的な建築も残されているなど、大阪の中でも異彩をはなつエリアです。
近年では観光地としての整備も進んでいます。

また天神橋、天満橋、淀屋橋など、20以上の橋が折り重なるように架かる独特の景観も中之島の魅力。
今回のクルーズでも色とりどりに美しくライトアップされた橋が大きな見どころでした。
かなり低い橋もあって、すれすれのところを船で潜り抜けるのもなかなかスリルがありますね。

「水都」と称された大阪の姿を再発見できた良い機会でした。
見慣れた大阪の街も河から眺めてみると、まったく違った表情を見せてくれるものですね。
大阪の街はいまも日々変化を続け、様相を変えていますが、この水辺の美しい風景や、数々の建築群は後世にも残ってほしいと思います。

この動画を通じて大阪の魅力を紹介出来たら幸いです！

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演奏／タンゴ・グレリオ
バンドネオン・星野俊路　ギター・米阪隆広
録音／米阪ギター教室
撮影・編集／大森秀明
主催・企画／大阪タンゴ　カフェティン・デ・ブエノスアイレス
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