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パラグライダーな日々 「雲への憧れ」

ご訪問、どうもありがとうございます。
パラグライダーが趣味のよねけんです。
今回は空を飛んでいると必ず(?)遭遇する雲についてお話をしたいと思います。

フライトに雲はつきもの

 パラグライダーでフライトをして、上昇気流を捉えて高度を上げることをソアリングと言います。地面付近の暖かい空気が上昇していくと温度が下がっていきます。そして、空気中の水分が凝結して雲になります。そう、雲は上昇気流が目で見える形になったものなのです。
 上昇気流を辿ってソアリングをしていれば自然と雲に行きつくことになります。

雲を眺めながらフライトをすること

 そう、雲のすぐ近くをパラグライダーで飛ぶ。なんて素晴らしい体験でしょう! 子どもの頃は雲に乗れると思っていました。それを実現したような動画がこれです。

 この日のこのタイミングは海からの風が入ってきて、山の上の空気とぶつかったようです。お互いの空気の湿度が違うので、飛んでいるところよりも低い高さから湿度の高い空気が凝結し、雲が沸き上がってきています。そう、雲と戯れているような感じです。
 動画には映っていないのですが、正面に太陽、背面に雲があるときにブロッケン現象も見られました。またこんなフライトがしたいなと思うフライトでした。高度は1,200mぐらいだったと記憶をしています。

雲は気象条件の一つで注意が必要

 見て頂いた動画は穏やかなものですが、実はこんな穏やかな状況はレアケースです。パラグライダーでは雲の中に入るのは禁止されています。世界各地のフライトエリアでも雲中フライトは禁止です。(イギリスだけは禁止ではなかったかもしれません。) なぜ禁止なのか、次の動画を見てみましょう。

 実はフライトしている地点は前出の動画と同じす。同じ空域でも天候で全く違うことが分かりますね。高度は1,000mを越えたぐらいで2分以上雲の中です。この雲中フライトは悪い例で、フライトとしてNGです。
 NGとされてる理由は、雲の中は強い上昇気流が発生していることがあり、それに入ってしまうと気流が荒れていてパラグライダーが潰されたり、高度が下げられなくて降りられなくなったりします。また、方向感覚がなくなり、視界も不良なので山の斜面に衝突するなどの問題もあります。雲の中のフライトはリスクがとても高いのです。動画では雲から出たときに助かったとばかりに声を上げています。(恥)
 パラグライダーはこのような状況になった場合、緊急降下で高度を下げる必要があります。この時は、ビッグイヤー(大きな耳)といって、パラグライダーの翼の両端を折って翼面積を減らす降下手段を取っています。

ビッグイヤーはこんな感じです。

https://sisiku.jp/2022/10/14/not-finished-in-half-a-day/

今日の獅子吼 2022.10.14 より

 恐らく最悪なのは、同じ高度で同じ雲に複数のパラグライダーが入った場合です。相互の位置が分からないので、衝突の恐れがありますし、衝突したら2機同時に墜落の可能性すらあります。
 雲の下ではあまりわからなくても、発達した積乱雲だったら大変なことになります。

雲の下ではわからなくても
実際はこんな雲だったらどうします?

 パラグライダーを始める人には雲の中に入りたいと言う人もいます。気持ちは分からないでもないのですが、そんなに良いものでもないということです。

今回はパラグライダーにおける雲の話でした。

まだまだパラグライダーな日々は続きます。

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