『宝石の煌き』の予約カードが非公開情報の理由
『宝石の煌き』、2人から4人で遊べてプレイ時間も30分ぐらい。でも、考えどころはガッツリある傑作ゲームだ。
『宝石の煌き』をプレイして、「そうだったのか!」と気づいたことがある。
「宝石の煌き」で鍵となるのが場のカードの予約。手に入れるための宝石トークンは足りないが、自分のものとして予約することができる。
この予約したカードが非公開情報なのだ。これが「なんでだろう?」とずっと思っていた。
そもそも、場にオープンにされているカードを「予約」するのだから、予約したカードが何だったか、全員が「わかる」。共有情報だ。
だが、手元にきたときには非公開情報として扱う。
これ、ゲームデザイン的にも、よけいな記憶力を使わせてしまう。いったん公開情報になったものは、できるならば公開情報のままがいいんじゃないかと思ってしまう。
そのせいか『ボードゲームダンジョン』の「宝石の煌き」回でも、ぼくは、予約カードをオープンにしたまま机に置いている(厳密にはルールを間違えてるのだ)。
で、この動画を撮影したあと、ボドゲカフェで「宝石の煌き」をプレイした。そのときに、「予約カードは手札として持っておくといいですよ」と教えてもらった。
あ、そうか。(ここからは勝手な推論)
予約カードを、獲得カードと同じようにオープンにして自分の場に置いているのはまぎらわしい。
「自分の場」というのはプレイ人数ぶんあるので、そんなに広くとれない。そんな狭い場に、それぞれの色のトークンと獲得したカードを並べ、さらに予約カードを並べるのは狭い。
狭いうえに、予約カードが獲得カードとまぎれるのはまずい。
そうなると、予約カードを手札にして「持っておく」ことで、スペースが確保でき、まだ獲得していないことが明確化される。
だから、予約するときは「公開情報」なのに、予約後は「非公開情報」になるのだ。
他のゲームでも、こういうケースはけっこうある。
トランプの大富豪の捨てられたカードは、非公開情報扱いなのか公開情報扱いなのか、微妙なラインだ。
場に出したときは当然、全員が知るところになるから公開情報だ。だが、重なっていって、流されたカードを、あとから見てよいかどうかは、場のルールによるだろう(どちらかというと、それを見返すのは「なし」でいこうよって感じになってる?)。
「見返すのがめんどう」「テンポが悪くなる」といった現実的な理由から導かれてるのではないか。
アナログのゲームは場を使う。場は現実的な制限を受ける。そのためにルールが生み出されたりもすることもあるだろう。
*これ、他にも理由やポイントがありそうな気もする。何かあれば教えてください。
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