見出し画像

学生起業家と壁打ちして改めて気付かされたこと

今週は学生起業家の方と壁打ちする機会がありました。

以前のnoteでも書いた通り壁打ちはとても重要だと思っていますが、

今回は壁打ちしてもらう側ではなく、壁打ちする側の視点でnoteしたいと思います。


お互い年齢や経験、立場は全然違いますが新しい事業やサービス、新しい価値を世に出していくという点において共通することも多々ありました。


「何を大事に事業をやっていますか?」


今回の壁打ちの話題はほぼこの一点でした。


壁打ちに際してはできるだけカジュアルに、フラットに、本音で、その時自然と出てくる言葉や態度を大事にしていきたいと姿勢で臨みましたが、この問いに対してパっと頭の中で浮かんだ言葉は3つでした。


・とにかく顧客の声

・プロダクトにフォーカス

・自分の人生観



①とにかく顧客の声

そもそも誰が顧客か?を定めることと、その顧客の本当に求めていることは何か?を定めることが最も難しいわけですが、答えは顧客の声の中にしかないと自身の経験から感じます。ここでいう声は実際に発せられた言葉はもちろんですが、その発言の背景や真意は何なのか?その発言は時間が経つとどう変わっていくのか?実際の行動(あるいはデータ)など注意深く掘り下げる必要があります。正解の全てがその声にあるわけでもないので、色々な声やこちらの考えている仮説、不安定な未来の予測などもひっくるめ統合して確からしい答えを見つけなければならないと思います。そして答えは常にアップデートし続ける必要があります。

今回壁打ちした学生さんの場合は飲料の販売と、その素をギフトとして売り出すという2枚看板で事業を展開しているとのこと。飲料はキッチンカーで販売しているということで、お客様が目の前にいるのでとにかくそれを徹底的に観察することを強くお勧めしました。一方でギフトに関しては直接ECで販売するケースや百貨店などの小売を通じて販売するケースがあり、またギフトの利用シーンによっても顧客が変わることを踏まえて、限られた資源をどこに集中するのが良さそうか?というディスカッションをしました。


②プロダクトにフォーカス

当初彼は、販売戦略やマーケティング戦略について壁打ちをしたかったそうです。ですが、一緒に壁打ちしてく中で現段階では「どうやって販売するか?」よりも「誰がどういう価値を感じて購入してくれるのか?」の方がもっと大事だということをお互いに認識しました。飲料の味わいはどうか?パッケージはどうか?顧客が望む飲用体験を提供できているか?価格はどうか?他にも色々な視点でプロダクトを磨く余地がありそうです。本格的な販売戦略やマーケティング戦略に着手するのはそれらがある程度見えてきてからでも遅くありません。一方で、そんなに悠長にしてもいられない、目の前で売り上げを上げたい!という話も出ました。そうなると「販売しながら顧客の声を聞き、プロダクトを改善し続ける」ということになります。言うのは簡単ですがこれをどこまで徹底してやり切れるか?ぜひ頑張ってほしいとなと思いました。


③自分の人生観

事業を立ち上げるだけでも相当なハードルがありますが、それを継続すること、成長させ続けることはその何倍も何十倍も難しいと感じています。「儲かりそうだから」、とか「誰かに求められているから」とか、「自分の経験になるから」とか色々と事業を推進するための動機はありますが、市場や顧客の視点、資金の視点、運営していく体制や人材の視点などで常に壁が目の前に立ちはだかります。厳しい声もたくさんもらうし、空振りに終わったり失敗したり、無視されたり誰も協力してくれない局面もあります。そんな時常に問われるのは「自分の人生観」です。


あなたは、なぜそれをやるのか?

あなたが、それをやる目的は何か?

あなたは、それをやることで何の価値を提供したいと思っているのか?

あなたが、それをやるうえで最も大切にしていることは何なのか?

あなたは、それがなくなるとどうなるのか?


例えば企業内で新規事業を推進している場合、上司や決裁者が「撤退するべき」と判断したら、それをそのまま受け入れてクローズすることも多いと思います。そこでスっと受け入れるとしたら、それがあなたの人生観だということなんだと思います。



・・・と、こんな話をしていたわけですが、壁打ちをしながら改めて気付かされたことがたくさんありました。


言うのは簡単。実行し続けるのは本当に難しい。

言ったことと自分がやってることが一致してるか?


ということです。

壁打ちのお相手をしたが、結局それらの発言は直接自分にも跳ね返ってくる。

ということです。


それから、自分が学生だった約20年前のことを考えると、

今の時代はこういう話をオンラインで気軽にできる環境自体がすばらしいとも感じました。

起業すること、事業をつくり新しい価値を世の中に打ち出すこと。

そのために必要な情報や人やお金を得やすい環境が揃っているなと感じます。

多くの人にチャンスがある。

ただし、その分競争も激しい。

もはや学生だからとか、社会人だからとか、スタートアップだからとか大企業だからとかはあまり関係がない状況です。


年齢や経験、立場の違う学生起業家との壁打ちを通じてとても良い刺激をもらった、素敵な時間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?