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100均の材料でキャラドール作る(④ベースのストレートウィッグを作る)

この記事にはカスタム前のドール(人形)素体、生首状態のドールヘッド等の写真が多く含まれます。苦手な方はご注意ください。

これまでのあらすじ

セリアで売ってるドール素体を使ってキャラドールを作ろうとしています。
前回はヘッドにアイホールを開けて、ドールアイを作りました。
詳しくは前回の記事をご覧ください。
あと今更ですがこの記事はドール初心者の制作記録としてまとめております。作り方の指南ではなく、いち個人の制作日記としてお読みいただけたら幸いです。(失敗して終了の可能性もあります!!!!


【今回やること】ストレートウィッグを作る

ウィッグキャップにウェフティング(毛束)を貼り付けて、ドール用のウィッグにしていきます。
今回はストレートウィッグを作るところまでです。
カットとセットは顔ができてからの方がやりやすいので、また後日…!

ウィッグのデザイン計画

まずはどういう形のウィッグを作るのかを考えます。
資料として過去に描いた自分の絵を引っ張り出してみる。

なんだそのふざけた髪型は!!

ていうか絵によって違いすぎるだろう。(手癖で描いてるから…)
最初期はツノだった部分が途中からアホ毛に変わってるなぁ…とかいろいろ発見があって面白いです。ずっと同じパレットを使ってるので色だけは安定してますが。

二次元なら物理法則を無視してどんな形の髪型も描けちゃいますが、三次元存在であるウィッグではそうもいきません。
アニメっぽい髪型の再現度を上げるために毛をガチガチに固めることも可能なんですが、今回は超極端な無重力ヘアーでもないし可能な限り「髪っぽさ」を残したいので、もとのデザインの特徴を取り入れつつドール版アレンジ的な感じで表現できたらいいかなと思います。
そもそも元絵の時点でデザイン幅があるしいいでしょ!

毛の流れも意識します

ドールヘッドの正面写真をクリスタに取り込んでイメージを描いたものです。
おそらく目隠れになっている側の前髪を上段と下段にしっかり分けて、流れを少しずらしてやるとキャラデザに寄ると思います。多分。
全体に点在する跳ねた毛束はヘアアイロンでどうにかします。

後ろ髪はとくにデザイン設定がないのでつむじからの流れに任せて下に落としつつ、襟足だけ少し外側に巻く感じにします。

つむじは真ん中にある方が色々と楽なのでできればそうしたいけど、
このキャラは少しだけ右に寄せて作ったほうが似そう。ヤダーッ!!

使用するもの

材料

  • ウェフティング(銀)
    毛束のパーツのことです。材質はポリエステル。セリアで購入しました。こんなものまで売ってるのかセリア…。あまり毛を多くし過ぎると後が大変なので、二束あれば充分かと思います。

  • ヘアエクステ(青)
    こっちはダイソーのやつ。ドール用ではなく、人間用のヘアエクステです。少しだけ髪色が違う部分があるのでそれ用に調達しました。
    キャラデザでは赤い毛も混じっていますが良い色がなかったので今回はとりあえず青だけで作ります。
    耐熱温度の表記が無いので心配でしたが、テストしたところ100℃くらいまでなら耐えてくれそうでした。

道具

  • 接着剤(裁ほう上手)
    毛束を貼ったり、毛束を作ったり。
    ポリエステルへの使用は非推奨らしいのですが、接着力には問題なかったので使っちゃってます。

  • ピンセット
    毛束を貼り付けるときにあると便利かも。昔買ったものをそのまま使っています。100均で買えるもので大丈夫。

  • ヘアアイロン
    写真に写し忘れましたすみません。なるべく家にあるもので作るつもりでいるのですが、これは新たに購入しています。Amazonセールで1400円くらい。
    ウィッグのセット用に買いましたが、今回は毛束を作るのに使います。

  • クッキングシート
    毛束を作るのに使います。

  • ペン 
    ウィッグキャップに書ければなんでもいいです。

  • マスキングテープ
    いつもお世話になっております。

  • カッター
    つむじ部分を作る際に使います。

  • くし
    本来は人間の眉毛用ですがドールウィッグの髪をとかすのにも丁度良いです。100均で買いました。

  • ハサミ
    ウェフティングを切り分けたり。普通のものでOK。

  • 紙コップ・ラップ
    お湯パーマ用です。

準備

キャップにガイドを書く

小さいサイズのドールウィッグなので、毛束を貼った後にできるアレンジは限られてきます。
毛の流れなど後から癖をつけるのが意外と大変なので、できるだけ計画的に毛束を貼っていきたいところです。そのために、まずウィッグキャップにガイドを書きます。

後ろから見た図です

つむじの位置を決めて、そこから同心円を描いていくようなイメージで毛束を貼る位置を決めます。
毛量が多すぎると体とのバランスが悪くなったり頭が重くなりすぎてしまうし、少なすぎるとハゲてしまうのでどの程度の間隔で毛を貼るか悩みどころ。かなり小さいウィッグなので結構この辺重要です。
つむじの周りはどうしてもハゲやすいので少し間隔を狭く、逆に襟足近くは毛が少なくても問題ないので間隔を広くしています。

右側頭部は色の違う毛束が生えていますので、区別できるように塗りました。
なお、アホ毛はウィッグセット時にヘアアイロンで作るので今は考えなくてOK。

毛束の切り出し

次はウェフティングを準備します。
絡まないゴムでとめられているので取り外します。ボサボサしているようだったら先にくしで梳かしてからのほうがやりやすいです。

毛束をしっかり抑えて、根元側に向かってゴムを外します
こんな感じで長い毛束になっています。机が狭すぎて広げきれない

キャップにつけた印に合わせてあてがい、必要な分を切り出していきます。

だいたいの長さを確認しながら切っていきます

基本的にはつながっている線はひと繋がりの毛束で取ってしまって大丈夫ですが、あとから分割することもあるのでどこ用の毛束か分からなくならないようにだけ注意。

貼り付ける毛束とは別に10〜15cmくらい切って取っておきます(つむじ用)。

上半分用の毛束の作り方

頭の上半分に使う毛束は根元の厚くなっている部分が段差として出てしまいやすいので、切り取って使います。
もちろんそのまま切り取ってしまうと毛束がバラバラになってしまいますので、接着剤を使って固め直します。

クッキングシートに折り目をつけ、そこに合わせて接着剤を塗ります。

めちゃくちゃわかりづらい

毛束を接着剤の上に並べて、マスキングテープで止めます。
さらに上から接着剤を乗せます。

これはちょっと乗せすぎ

あまり多すぎるとマスキングテープの下に潜り込んでしまうし、少なすぎるとくっつかないので慣れるまで量の調節がちょっと難しいです。

クッキングシートを折り、接着剤を塗ったところをヘアアイロンで挟みます。(温度は120℃に設定しています)
裁ほう上手はアイロンで熱を加えて圧着することで早く、そして強くくっつく接着剤なので、それを疑似的に再現します。

しっかり熱を加えたら、完全に冷ましてから接着剤が固まったことを確認してクッキングシートから剥がします。

最後に縫い付け部分を切り取ります。
ウェフティングの裏側に見える縫い目のすぐ下を切り取ると丁度良いです。

根元を切り離すため、毛束が壊れやすくなります。そのため貼り付け作業中に必要な分だけをその都度行っています。

青い毛束の準備

同じような方法で青い毛束も作ります。
最初に根本を切ってピンから取り外します。

バラバラにならないように毛束を持ったまま切ります。
 

毛束作りと同じように先端に接着剤をつけてクッキングシートで挟んでアイロンして固めます。銀のウェフティングと違って耐熱温度があまり高くないので、90℃くらいで地道にやりました。

エクステが長すぎてもったいないので、これをさらに分割します。

この部分を接着剤で固めます
裁ほう上手に付属のヘラが使いやすい

ちょうど用事で離席したので圧着せずにそのまま自然乾燥させてみたところ、見事に裏側がくっついていませんでした。裏返してもう一度接着剤を塗って固めました。

乾燥後は接着剤で固めたところで切り離します。

信じられないくらい見づらくてすみません

まだ長かったのでさらにもう一回分割して、3つの毛束になりました。これくらいあればまあ、足りるでしょう。

ウェフティングを貼り付けていく

キャップに書いたガイドに沿って貼っていきます。

ウェフティングをうまく広げながら、髪の流れ落ちる方向をぼんやり意識して貼ります。基本的にはガイドに沿わせて貼っていくと綺麗に流れていきます。
ウェフティングの根元をUの字に曲げると放射状に毛が広がるので、うまく調整して流れを作ると良い感じです。

ピンセットで向きを微調整するといい感じ

下から二段目までは普通の毛束、それより上は接着剤で固めて作った毛束を使っています。

毛束を貼ったら、ある程度しっかり接着されるまでは他を触らずに固定したほうが良いです。小さい割に気長な作業ですが…。
サクサク進めるなら瞬間接着剤を使うのもいいかもしれない。

サイドと前髪は髪の流れが変わるので、ウェフティングを分割して貼ります。

サイドはウェフティングを小さく切り、まっすぐ下に毛が落ちるように向きを調節して埋めます。右側頭部の青い毛束も同様。

前髪は流したい方向を少し意識して貼っていきます。特に目が隠れる左目側はよく確認しながら貼ります。

貼り進めるうちにつむじに到達しますが、つむじの周囲は少しだけ間隔を残しておきます。

つむじを作る

接着剤が完全に乾いたら、ウィッグキャップをヘッドから外してつむじの部分にカッターで切り込みを入れます。

ケガには要注意

つむじ用の毛束の根元をくるくると丸めて、つむじの切り込みから内側に入れていきます。

穴が小さくてうまく入らない場合は糸通しを使って裏側から毛を通すとよいです。(私はその辺にあった針金で代用していますが…)

針金の輪っか部分をつむじの穴から内側に入れて、丸めた毛束を通します
(写真撮るの難しすぎて毛束が入ってないですが矢印のところに通します)
毛束の根元側をしっかり押さえて、針金を表に引っ張り出すと毛先側から穴を通せます。

無事に穴を通せたら、ウィッグキャップの裏側から根本を貼り付けて固定します。
必要に応じて根本を切って開いても大丈夫です。

あまり見た目はよくないですが、どうせ見えないので…。

ここだけ瞬間接着剤を使いました。すみません。
ウィッグキャップの裏側はなぜか裁ほう上手があまりくっつかず、どうしても接着剤で周りの毛束を汚してしまう事故が起こりやすかったので…。

つむじには穴が開いている状態になっていますが、今はまだ接着剤などで塞いでしまわないようにしておきます。(内側から毛を引っ張らないように注意)

つむじの毛束を貼り付けた後は、長らくお世話になった増設ヘッドを外します。
そしてここで増設ヘッドがあった分の空間が活きます。
頭の形ぴったりのウィッグキャップの裏に毛束を貼るとその分ヘッドから浮いてしまいますが、これを増設ヘッド分の空間に収めることで、ヘッドから浮くことなく装着可能というソリューションです。

増設キャップを直接ウィッグキャップに転用してしまうと、ぴったりサイズのキャップと同じように余裕がなくなってしまいます。

このためにわざわざ増設ヘッドとは別にウィッグキャップを作った…というわけなのですが、つむじの位置が前すぎたのか思ってたより効果的ではなかったかも。ただウィッグキャップ自体の柔軟性のおかげもあって、ぴったりのウィッグキャップを作った時よりは各段にフィットしているように思います。触ったり、くしを入れても滑り落ちてこないので良かったです。

髪を落ち着かせる

つむじに毛が入ったことで河童状態を脱しましたが、

元気すぎるし背景が散らかりすぎている

見事に寝起きヤシの木なのでつむじの毛を落ち着かせていきます。

つむじの毛をいい感じに分けて、上からラップをかけて止めます。
ハゲができてしまってもとりあえずは大丈夫です。

この上からラップを被せて輪ゴムで止めます。

鍋でも紙コップでもなんでもいいので熱湯を用意します。
そこにラップごとヘッドを1分ほど浸します。だいたい耳の下くらいまでを浸しました。熱いのでやけどに注意。

絵面やばいですが大丈夫です

ウェフティングは熱を加えたあと冷めるときに癖がつくので、完全に冷めるまで放置します。中まで結構しっかり温まってしまうので、気長に待ちます(急いでいる場合は水につけたり保冷剤で冷やすのもありです)。

熱を加えることでソフビも同時に柔らかくなってしまうので、ヘッドの型崩れを防ぐために完全に冷めるまではあまり触らないようにします。

完全に冷めたらラップを外して、癖が落ち着いていたら成功です。

顔の凹凸に合わせてちょっと波打ったような癖がついてしまいました。お湯に浸すのはつむじ周りだけにしておいたほうがよかったかもしれません。

お湯に浸す方法は全体を落ち着かせるのには便利ですが、狭い箇所を狙って落ち着かせたいときには不向きです。ピンポイントに熱を加えたいときは、アイロンの先端やドライヤーの熱風、半田ごて、手芸用のコテなどを使って熱してあげると良いです。いずれも温度設定に注意。

つむじの毛を足す

妙な形につむじを作ってしまったこともあり、後ろ側をカバーしきれず下の段が透けて見えてしまいました。

このあたり盛大にハゲています

ここを補いたいので、つむじにもう少し毛を足します。

写真を撮り忘れて申し訳ないのですが…
つむじに毛束を通した時と同じように、針金を使って毛束を追加します(このためにつむじの穴を塞がないでおきました)。
この後の手順も最初につむじを作ったときと同様に、ウィッグキャップの内側に瞬間接着剤で固定し、毛を倒してラップで抑えます。その後、熱湯に浸すか、アイロンなどを使って落ち着かせます。
冷めたらラップを外して、目立つハゲがないかもう一度確認します。

完成

ひとまず完成です。
かなり毛の量を絞ったのでよく見るとハゲがありますが、セットしてみてあまりに目立つようならその時にどうにかしようと思います。多分なんとかなるって!

すぐにでもセットしたいところですが顔があったほうがやりやすいので、ウィッグは一旦このまま置いておきます。
次回はヘッドにメイクをして、アイを入れていきます。

今回の記事は工程が多くて時間がかかってしまいました。
次も作業内容が難しそうなので気長にお待ちいただけたら幸いです。
ではまた〜


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