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KAZEの便り 2021.11.18

ヨンゴトでもよんのばいすうでもないけど、大安なので書くことにしました(笑)

今日はいいお天気でした。空は霞がかかったような青みではありますが、日中はコートもいらないほど暖かかった。こういう日を小春日和というのでしょうね。

1週間前の神戸はこうじゃありませんでした。いや、晴れ渡った青空は今日以上に青いのに、「一転にわかにかき曇り」という言葉がぴったりなほど天気が急転し、雨風にさらされました。私たちは何度も傘を差したり閉じたりを繰り返しました。そう、この日は、かれこれ2カ月ぐらい待ちわびた藤井風アリーナツアー神戸公演の1日目。初めはそれほど興味なかったグッズ販売の行列の中に、私はいたのです。スマホにイープラスのアプリを入れ忘れ、道中でインストールしたせいか、スマホのバッテリー残量が急に心細くなり、ヒヤヒヤしながら。雨や風のせいで冷えは足元から立ち上り、手も冷え冷えで使い捨てカイロがどれだけありがたかったことか。それでも一緒に行った友達とあ~だこ~だおしゃべりしながらだったので、何とか持ちこたえることができました。

神戸公演が行われたのはポートアイランドのワールド記念ホール。正式名称は神戸ポートアイランドホールというそうですが、いまやワールド記念~で知られています。私は今回初めてでした。開館は1984年10月というだけあり、遠目にはきれいな茶色のダンゴ虫(笑)っぽく見えますが、近くで見たら屋根も壁面もサビサビ~。年季入ってます。防音機能もないのか、並んでいるとリハーサルを始めた風くんの歌声が生々しく聴こえてきました。並び始めてすでに2時間。その歌声で少しは疲労が軽減したような気もします。んが、そのうち、スマホで録音しだす人もいて、スタッフが「スマホをしまってくださ~い」と大声でアナウンスし始め、小さなデッキでカバーアルバムのCDを大音量でかけたり、ホールからの歌声をかく乱する一幕も。そして、いよいよ販売ブースのテントが見える頃にまたしても雨が降り始め、実際、お金を支払う場面で一番雨が強くなりました(泣)。何の罰ゲームやねん💦
既に足の指がマジ凍傷になるかというほど冷たくなって、歩くのも大変なほど。いやいや~それでも並んだからこその戦利品をゲットでき、心は大満足でした。この歳になって、こんなことをするとはなぁ。この時点で公演開始まであと2時間という感じでした。すっかりミッションコンプリートの気分でしたが、これからが本番やん(笑)

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あてがわれた席は、なんとステージ上手真横のスタンド。横からはばっちりステージが見えますが、正面からの姿は、右真上に設置されたスクリーンを見上げなくてはいけません。それでも、アリーナ奥の座席に比べれば、PAの様子も見えたり、臨場感あるなかなか面白い場所ではありました。何といってもKAZEのイニシャルKブロックの14番ですからね(笑) コンサートは5分押しでスタート。セットリストは全公演同じと知っていたので、『風よ』で始めることはわかっていましたが、なんとサックスを吹きながら登場。結局、最後までサックスを吹くというオープニングに、客席には不思議な静けさが広がっていました。このサックス、私の耳にはちょっとピッチが低く感じました。オーケストラのチューニング風景しか知らないし、管楽器のことは全然わからないけど、金管楽器と電子楽器のピッチを合わせるのって難しいのかな。『風よ』は歌でも聴きたかったけど、ともあれ、時折手を振りながらサックスを吹く風くんのレアな姿が見れて嬉しかったです。

そのまま『調子のっちゃって』を歌い、ようやくMC。ここからが風節炸裂です。あのお顔でほんまに岡山弁が出るから、なんだかおかしくなります。言われて初めて実感しましたが、兵庫県と岡山県は隣組。彼のお知り合いも多くお住みだそうです。しかも、雨に祟られたことに触れて「かわいそうに」と言われると、息子に肩を揉まれたような感覚にとらわれました。息子いないけど(笑)。それでいて、英語単語が出るたびに発音がネイティブ(笑)。「他のアリーナよりもキャパが少ないから、intimateなコンサートになる思うてます。intimateいうのは『親密な』という意味で~」みたいな感じ。1個新しい単語を発音込みで覚えました(笑) 。でも、「キャパ」は解説不要だったなぁ(笑)それを「知らん人もいるかもしれんけど」と説明するところが、風くんの優しさs(⋈◍>◡<◍)。✧♡

彼の歌唱力については今さら何をか言わんやって感じです。身体は常にリラックスした状態で最良のテンションでマイクに乗る声がキラッキラの耳福。最後から3曲目の『燃えよ』で最高音が出にくそうになってマイクから口元をあえて外していたのがちょっとつらそうだったけど、時々はフェイクを加えながらの歌声は、「感動」という言葉では語れない不思議な説得力を感じました。歌詞を含めて風ワールドに自然と引き込まれる。確かに24歳の若者だし、ダンスもキレッキレ。なのに汗ひとつかいていない。『燃えよ』を熱唱してさえ、な~んだか涼しげ。あのゆるゆるしたMCの口調で人々をよき方向へと導こうとしてくれる。まさにHELP EVER HURT NEVERを体現している音楽伝道師。今さらですが、このHEHNってサイババの言葉なんだそうですね。

24歳のイケイケPOPスターなら、もっとオラオラと観客を煽り、鼓舞し、エキサイトさせてもよさそうなのに、心は浄化されるばかり。『帰ろう』では、途中で背景が瞬間的に星空に変わって、思わず号泣モード入りました。惜しむべくは、真横の席からでは一瞬で変化した演出の感動がやや薄れたこと。PAの明かりも見えていますし。なので、これだけは28日の動画配信で画面を通して観てみたいと思っています。アリーナ席はもちろん、スタンド席でもほとんどスタンディングで観ているお客さんは多かったし、『さよならべいべ』のサビで両手を左右に振る振り付けをほぼ会場全体が合わせてやったり、それなりに盛り上がっていましたが、声が出せない分、手振りで応じるしかないって感じ。静かなものです。でも、「今までのツアーの中で今日の神戸が一番すごかった」と風くんも大喜びでした。観客の言葉を代弁すると、「いやぁ照れるなぁ」(笑)  『青春病』ではMVに出てきた印象的な振り付けを私も思わずやっちゃいましたよ。

バンドの皆さんの挨拶も、なんだかとても初々しくて、「藤井風くんと演奏できてうれしい」というばかり。そのたびに恥ずかしそうに下を向く感じが、CMでもMVでも伝説のスタジアム無観客ライヴでも今年さまざまな旋風を巻き起こしたスター像とはまったく一線を画すものでした。そして最後には深々とおじきをして観客に挨拶する姿は神々しいばかりでした。

「みんな兄弟姉妹。隣の人とも仲良しになって帰ってくださいや」と大真面目に言われて、ややこっぱずかしさもありながら、心は確かに変化を起こしていました。実はその日は近くのホテルに泊まったのですが、部屋に戻るエレベータの中で、二人連れと乗り合わせた時、先に降りるその方たちが「おやすみなさい」と私に声をかけてくれたのです。まぁ、通販で買った黒いHEHNマスクにゲットしたばかりのツアーTシャツを着ている私を見て、コンサート帰りだということは一目瞭然ですし、私も「この人たちもコンサートに行ったんだなぁ」と何となくわかっていましたから、私も自然に「おやすみなさい」と返すことができました。いやいや、優しさのエール交換を早速体験。みんな、まんまと風マジックにかかっていますよね。先日写経をする機会があったのですが、藤井風の音楽は般若心経の心に似ていると感じました。これについては、またあらためて考察してみたいと思います。

翌朝、MISIAへ楽曲提供した「 Higher Love」のニュースとMVが吹き荒れ、またまた世間をあっと言わせた藤井風。また、『旅路』のMV、100万回再生を記念したBTSがアップされ、撮影終了後にポロポロと涙を流す彼のあまりに幼い顔にもズキューンとさせられました。今回ライヴを体験して、バックバンドはコンピュータの音源と3人の生演奏というスタイルで、正直ライヴ特有の臨場感はやや薄かったです。たとえば、ブラスやパーカッションなども多用してくれたら会場もさらにエキサイトしたのではないかと思うのですが、大きなバンドを従えてのツアーを組むのはコロナ禍ではあえて封印したのでしょう。アルバムもまだ1枚。プロとしては昨年デビューしたばかりの新星なんですよね。だからこそ、今年の活躍はほんの序章に過ぎないのかもしれません。今後さらにバージョンアップされていくに違いありません。ライヴを体験して1週間たち、彼の伝説の一端に立ち会った幸せを、じわじわしみじみ感じています。お茶の間にはまだ浸透していない藤井風の快進撃はここから始まっていく。ライヴを経験したからこそ、ますますそれを強く確信しています。

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